研究課題/領域番号 |
17K12411
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
山下 一也 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30210412)
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研究分担者 |
橋本 道男 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (70112133)
松本 亥智江 島根県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (70262780)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | MIND 食 / 認知症予防 / 食事栄養 / 遠隔料理教室 / エゴマ油 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー型認知症は食事栄養、運動、社会的交流、脳トレなどにより、予防できるとの報告がなされており、特に最近では、食事栄養についてはMIND食(マインド食)が注目を浴びている。島根県の中山間地のA町での物忘れを訴えている44名をエントリーして、エゴマ油を使用したMIND食の食事栄養指導をした。また、料理教室は対象地域の2公民館を結んで、同時中継でスカイプを使って開催した。2年間の介入期間で、44名の参加者(平均年齢74.2歳)のうち、7名が途中で脱落した。平均の血圧は143.2/79.4、認知機能検査のうち改訂長谷川式簡易知能スケールの平均得点は28.3点、MMSの平均得点は28.7点と良好な成績であった。参加者のアンケートによると全員が役に立った、との評価であった。 MIND食は地中海式食事とDASHという高血圧症を防ぐための食事法を組み合わせた食事療法であるが、「十分に理解が深められた」「身近な材料の活用でMIND食が作ることができる」との意見が多くあり、日本人にでも十分に継続できることが示唆された。また、高齢者では外に行く気がしなくなることが実際に多く、自宅から近場でなじみの公民館での料理教室だと参加しやすいということも今回の結果からは得ることができた。本研究ではA町の町内公民館2箇所を結んで、同時中継でスカイプを使って料理教室を開催できた意義も大きい。電波状況の悪い地域であったが、今後、ZOOMなどの活用により、遠隔料理教室ができることが分かった。また、本研究料理参加者の中のエゴマ生産者と島根県I市の醤油会社と本学と共同で、本研究の料理参加者の意見を参考にしながら、「えごましょうゆ」を開発し今年3月より販売を開始した。
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