小規模ケアホームを全国で展開しているホームホスピスの管理者(開設者)及びスタッフを対象に、ケアの質を担保するための取り組みについてインタビューを実施したデーターから質的帰納的分析を行った。管理者のインタビューでは、12のカテゴリーから「ホームホスピスへの思い・大事にしていること」「経営・運営」と「スタッフ教育」の3つにラベル化された。スタッフのインタビューでは、18のカテゴリーから「ホームホスピスで働くようになったきっかけ」「入居者へのケアの工夫・気をつけていること」と「ホームホスピスへの思い・入居者へのケアに対する思い」の3つにラベル化された。ラベル化された内容とペタゴギックの「究極の個別ケア技術」と既存の「ホームホスピスの基準」を参考に小規模ケアホームの質を保証するケアマニュアル開発に向けて検討した結果、「個別ケア技術の意識化」と「小規模ケアホームの管理者のゆるぎない理念とビジョン」および「管理者とスタッフとの信頼関係」が重要視された。 9月には、全国ホームホスピス協会の理事長とホームホスピス開設当初のデンマーク在住の介護士を招いて、「ホームホスピスにおけるケア」「個別ケア技術の実践」をテーマに医療・介護従事者及びホームホスピスに興味のある市民を対象に講演会を開催した。「究極の個別ケア技術」を事例提示で目の当たりに聞くことができ、知見を深めることができた。また、参加者の方にとって、日ごろのケアを振り返ることにもつながり、参加者の施設ケアに反映できたのではないかと思われた。
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