研究課題/領域番号 |
17K12414
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研究機関 | 弘前医療福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 厚子 弘前医療福祉大学, 保健学部, 教授 (20320608)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 転倒予防 / スリッパ / リハビリ / トレーニング / 高齢者 / 通所 |
研究実績の概要 |
対象者は6か所のデイサービスに通所している要支援1、2の高齢者29名(平均年齢85.5±6歳)であった。トレーニングは一週間に1~3日であり、デイサービス利用時間中に継続してスリッパをはいてもらった。転倒リスクの評価はBerg Balance ScaleとTinetti’s Performance-Oriented Mobility Index(POMA test)を用た。評価時期は介入前、3か月後、6か月後、9か月後、12か月後の5回であった。本調査は弘前医療福祉大学研究倫理審査委員会の承諾を得た。介入群は施設のトレーニングの他に転倒予防スリッパによる訓練を行った。コントロール群は現行通りのトレーニングを継続して行った。その結果、介入群はBerg Balance Scaleが介入前43.9±7.6、介入後46.9±6.4、POMA testは介入前24.0±3.0、介入後25.8±6.4と有意に高くなり(それぞれp<0.05、p<0.01)、転倒リスクが低くなった。コントロール群はBerg Balance Scaleが介入前42.8±6.6、介入後42.5±6.8、POMA testは介入前22.8±4.1、介入後24.1±3.8であり、点数を維持した。介入群は6か月前からの転倒歴がある者は調査開始時は9名であったが、12か月後は5名に減少した。コントロール群は調査開始時転倒歴がある者は3名であったが、12か月は6名に増加した。終了後介入群の多くが、気分が明るくなった、体が安定すると報告したが、中にはスリッパが履きにくくて面倒という声もあった転倒予防トレーニングスリッパは一週間に1~3日、一日1回約10分程度の使用で転倒予防効果があった。デイサービスを利用することで転倒リスクは抑えられるが、更に転倒予防スリッパを長期間使用することで転倒予防効果が高まる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5月末日時点で、予定通り調査が終了している。2019年6月末までには更に30名程度の測定が終了する。更に地域に生活している高齢者に対し、転倒予防スリッパを用いたトレーニングと栄養バランス調査、フレイル調査を実施しており、。2019年9月末までには一定の評価ができる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
調査時のアンケート調査で、スリッパが履きにくいとの声があったので、より履きやすいスリッパを考案する。他大学理工学部の協力を得て、転倒予防スリッパの転倒予防効果をを理工学的にアセスメントする。栄養バランスのアセスメント方法について、新しいシステムを構築し、特許を取得する。
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次年度使用額が生じた理由 |
謝金の支払いに充填するため。
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