研究課題/領域番号 |
17K12418
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 千晶 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60645919)
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研究分担者 |
尾崎 章子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30305429)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 訪問看護師 / 疼痛マネジメント / 地域 / 認知症 |
研究実績の概要 |
今年度は現状として在宅認知症高齢者に対し、訪問看護師はどのような疼痛アセスメントを行っているか、また在宅で生活している中等度-重度認知症高齢者を支えている訪問看護師の、現在の疼痛マネジメントの知識・態度(attitude)を明らかにし、今後どの点を教育に盛り込んでいく必要があるかを明らかにすることを目的とし、全国の訪問看護事業所1,037ヵ所を調査対象とし、先行研究と10名の熟練訪問看護師のインタビュー結果から作成した質問紙により自記式質問紙調査を実施した。 その結果、1037箇所へ配布、回収率22.8%であり、最終分析には230件の回答が含まれた。回答者の訪問看護師としての平均経験期間は10.5年であった。知識項目18項目の平均スコアは、14/18点であり、現在までに疼痛マネジメントの研修が多いと回答した者は、トレーニングを受けたことがない人と比較して、有意に知識の合計スコアが高くなった(F = 6.54、p <.001)。また自信のない者と比べて、自信のある者は、知識項目の合計点が有意に高くなった(F = 4.90、p <01)。さらに回答者の約30%が自信があると報告したものの、回答者の95%以上が認知症の高齢者の疼痛管理に関するトレーニングが必要であることを示した。 以上のことから、我が国における訪問看護師は、中等度から重度の認知症の高齢者の疼痛管理に関するさらなる教育が必要であることを結果は示した。現在の疼痛マネジメントに関する教育プログラムを、訪問看護師が認知症患者の痛みをより自信を持って疼痛管理できるよう、プログラムを改善する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終的には訪問看護師の教育プログラムに加えて、介護士・家族に対する教育プログラム作成まで発展させたいため。
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今後の研究の推進方策 |
Pain managementの意思決定過程に影響を及ぼす看護師側の因子に「アセスメント, 知識, 信念」があるが、多くの研究で知識がある者は、ない者と比べ、<疼痛緩和をもたらすケア>が有意に多いことが明らかになっている。よって今年度は先行研究と前年度の調査から、DOLOPLUS-2(疼痛程度を測定する尺度)使用説明書作成するが、疼痛に関する基本的知識の内容を組み込み、さらに今後予定している知識尺度・教育プログラムと連動させたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通り使用した。
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