研究課題/領域番号 |
17K12420
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小山 幸代 北里大学, 看護学部, 教授 (70153690)
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研究分担者 |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
菅原 峰子 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (70398353)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 生活行動 / コミュニケーション / 教育プログラム / 地域住民 |
研究実績の概要 |
地域住民を対象とした認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーション教育プログラム試案を再検討した。昨年度の国内文献検討の結果、教育の方法として視聴覚教材を用いることが有用性であることがわかったため、近年話題のバーチャルリアリテイ視聴覚教材が本教育プログラムの教材として効果的かを検討した。 VR認知症体験という既存のプログラムに研究者・共同研究者・近隣の住民らで実際に体験した。 結果、ある程度の認知症に関する知識があればより理解は深まるが、全く知らない場合は混乱を招く恐れがあるということ等がわかり、本教育プログラムへの活用は効果的ではないと判断できた。 また、海外研究文献による本教育プログラムの再検討を試みた。認知症ケア場面におけるコミュニケーショントレーニングの効果についてのシステイマテックレビューでは、認知症の人とのコミュニケーションに関して対面的でさまざまな教育法が、コミュニケーションスキルのための肯定的結果をもたらす戦略であることが示唆されていた。また、小学校などの生徒を対象としたコミュニケーションロボット使用の効果について示されていた。しかし、地域住民を対象とした認知症高齢者とのコミュニケーションについての研究はみられなかった。 研究代表者が高校生を対象に実施した「認知症の人の理解とコミュニケーション」に関する講義では、認知症の人の理解についての基本的な講義の後に、ケア提供者用に用いているコミュニケーション場面のDVDを用いて教育した。結果、ケア提供者向けと同様のDVDでも教育効果が確認できた。 以上の結果より、地域住民を高校生以上の対象に絞り、教育プログラム試案を作成することが現実的で有用であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外文献検討と高校生の講義を実施し、本研究の対象者の焦点化、教材使用や教授方法について決定できた。研究者らの先行研究で明らかにした認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーションスキルに関する教材は確定しているため、教育プログラム試案の骨子はできたが、試案を活用した教育の実施には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
作成できた教育プログラム試案を用いて、高校生以上の地域住民を対象に教育を実施し、教育プログラム試案の評価を行い、「地域住民用認知症高齢者の生活行動を引き出すコミュニケーション教育プログラム」を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本教育プログラム試案の実施が行えなかったため、外部での教育用に使用するスライド・DVD映写用ノートパソコン及びプロジェクターを購入しなかったため、次年度購入する。また、本教育プログラム試案を実施しなかったため、実施後に収集するデータの整理および分析補助者への謝金が発生しなかった。次年度に使用する。
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