研究課題/領域番号 |
17K12422
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (70237494)
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研究分担者 |
諏訪 さゆり 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30262182)
永井 優子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (40237491)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 認知症看護 / コンピテンシー / 看護基礎教育 / 継続教育 |
研究実績の概要 |
令和元年度は、研究3「看護基礎教育課程修了時に求められる認知症看護実践能力(コンピテンシー)を明らかにすること」について推進した。平成30年度に実施したフォーカスグループインタビュー結果から抽出した要素と、3つの海外文献でのコアコンピテンシーとを比較検討した。この検討の中で、看護基礎教育課程修了時(新人看護師)がもつ認知症看護実践能力だけでなく、経験を積んで成長していく先の段階を見越しておく必要があるという意見から、一人前の看護師がもつもの(3~5年目相当)、中堅看護師がもつもの(ケアチームのリーダー相当)を含めて作成することになった。 急性期病院看護師がもつべき認知症看護のコアコンピテンシーとして、以下の8つの内容をあげた。ここでいう患者とは、急性期病院に入院している認知症をもつ高齢者である。 Ⅰ.認知症と老化に関する知識を持ち、看護に活用する力、Ⅱ.コミュニケーションスキルを活用して患者・家族に看護を提供する力、Ⅲ.複雑な状態にある患者をアセスメントする力、Ⅳ.よりよい入院生活に向け支援する力、Ⅴ.よりよい退院後の生活に向け支援する力、Ⅵ.生じている倫理的な課題を見出し、解決に向けてアプローチする力、Ⅶ.ベストプラクティスに向け、病棟(看護単位)全体に働きかける力、Ⅷ.看護師自身の心身の健康状態を把握し、セルフケアできる力、である。この下位項目にコンピテンシーの目標となる事項をあげた。 これを「看護基礎教育課程修了時ならび卒業後に獲得すべき急性期病院での認知症看護実践能力素案ver.1」とし、デルファイ法により精錬させるため、第1段階として、この案を説明することを含んだインタビューを実施している。現在、看護管理者2名、看護教員1名に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「看護基礎教育課程修了時ならび卒業後に獲得すべき急性期病院での認知症看護実践能力素案ver.1」をデルファイ法により精錬するため、倫理審査により承認を受けた後の2020年1月から看護管理者ならびに看護教育者に依頼をしている。しかし、COVID-19感染症拡大の影響により対象者を増やすことが困難となっている。
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今後の研究の推進方策 |
「看護基礎教育課程修了時ならび卒業後に獲得すべき急性期病院での認知症看護実践能力素案ver.1」をデルファイ法により精錬するための対象者は、現段階で依頼できている者に加え、オンラインでの説明・インタビューが可能な対象者に依頼する。また、対面せず、紙面のやり取りで依頼できる対象者を探す。それも困難な場合は、現段階での対象者から得られたコメントによりVer.1を精錬させる。 このVer.1を精錬する過程と並行して、研究者間のビデオ会議を行い、カリキュラムを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度に行う予定であったデルファイ法によりインタビュー調査、ならびに郵送法等の調査を実施し、交通費・郵送費が発生する予定であったが、COVID-19感染症拡大の影響を受け、対象者を広げて調査することが難しくなったことから、これらの経費を使用できていない。 次年度は、調査を継続して行うが、対面でのインタビューが困難なことから、インターネットを通じたビデオ会議を導入する。この経費と、最終的に報告書を作成し、広く意見を求めるための郵送費に充てる予定である。
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