研究課題/領域番号 |
17K12425
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
村松 由紀 大東文化大学, スポーツ・健康科学部, 教授 (10348097)
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研究分担者 |
甲賀 ひとみ 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 特任講師 (00790388)
杉森 裕樹 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20276554)
田中 博史 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80311992)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地域包括ケア / 看護基礎教育 / 社会人基礎力 / 地域協働型介護予防 / ソーシャル・キャピタル |
研究実績の概要 |
本研究は,大学と地域が協働・連携し,共有する課題解決に向けてPBL学習(Problem-based learning)の手法を取り入れたゼミナールの構築であり,併せて学生が地域住民とのゼミナールを通して,卒後に職場や地域における多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な能力の形成をめざし,初年度は研究準備期間として,1.介入プログラム内容と構成概念の妥当性の検討,2.対象地域の打ち合わせ,3.社会人基礎力の概念整理・評価尺度構成を実施した。 介入プログラムの構成概念については,経産省の3つの能力【前に踏み出す力】【考え抜く力】【チームで働く力】に【倫理】と【職業的アイデンティティ】を独自に追加し5つの構成要素とした。また,看護基礎教育における【職業的アイデンティティ】の形成と発達については,先行研究の文献レビューを参考に「看護師選択の自信」,「自分の看護観の確立」,「看護師として必要とされることへの自負」,「社会貢献への志向」の4段階とし,入学初年次より卒業年次まで継続した支援ができるよう教育課程との関係性に配慮した介入プログラムとした。 介入プログラムA~Cについては,Aの主題は『対象理解』であり,世代の異なる双方の価値観、相互理解を図る内容構成である。Bの主題は,『課題の整理と取組み』であり,対象の情報をアセスメントし、個別的計画立案〔看護学科:生活目線で健康支援〕〔スポーツ科学科:運動力目線で介護予防〕〔健康科学科:健康診断・モニタリング〕を実施する。Cは,『実施・評価』として実践と介護予防・健康教育介入プログラムの評価を行う。 社会人基礎力の概念整理・評価尺度構成については,思考力(批判的・協働的・創造的)及び態度と経験に倫理と職業的アイデンティティの項目を追加し評価の枠組みとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象地域及び対象となる地域住民の抽出については,大学近隣の自治会連合会会長との打ち合わせと地域住民への説明が進捗している。また,本学のスポーツ科学科が実施している地域連携事業の様々な取り組みを活用し、対象地域及び対象となる地域住民の選定を行っているため、おおむね計画通りの内容について今年度実施の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
看護学科・スポーツ科学科・健康科学科(臨床検査)の学生及び地域在住高齢者の混合編成班を研究対象者とし,介入プログラムA~Cを実施する。プログラムAのテーマは『対象理解』で,世代の異なる双方の価値観、相互理解を図る内容構成とする。プログラムBのテーマは,『課題の整理と取組み』とし,対象(地域在住高齢者)の情報をアセスメントし,個別的計画立案〔看護学科:日常生活動作に視点をあてた健康支援〕〔スポーツ科学科:運動力・身体機能動作に視点をあてた介護予防〕〔健康科学科:健康診断・モニタリング〕とする。プログラムCは『実施・評価』として,実践から地域包括ケアの実際を学ぶ内容とする。さらに,ゼミナールの集大成として,「グループセッション・報告会」を実施し,ゼミの統括を行う。平成30年度は,プリテストとして,プログラムA~Bの実施と評価を行う計画とする。また,プログラムの評価として①自記式質問紙による定量評価,②自記式質問紙の自由記述による定性評価,③視聴覚教材を活用したPBL学習効果の評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、より適切な物品の購入を行うために具体的なプログラム内容を再検討・再修正を行い、購入物品についても再検討を行ったためである。 初年度に購入予定であった介護予防の介入に必要な体操用具、データ測定のための備品については、次年度以降に充てることとした。
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