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2017 年度 実施状況報告書

地域高齢者のスピリチュアリティに焦点をあてた主体的な健康生活の支援

研究課題

研究課題/領域番号 17K12428
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

三澤 久恵  神奈川工科大学, 看護学部, 特任教授 (30369409)

研究分担者 新野 直明  桜美林大学, 自然科学系, 教授 (40201686)
高橋 勝美  神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (30267637)
竹田 恵子  川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (40265096)
池内 朋子  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40773809)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード地域高齢者 / スピリチュアリティ / 健康生活支援 / 健康づくり / 笑いヨガ / ストレス測定
研究実績の概要

本研究の目的は地域高齢者のスピリチュアリティに焦点をあてた主体的な健康生活の支援の方向性と実践の手がかりを得ることである。
平成29年度計画に基づき、まず、研究者による研究計画確認と厚木市介護福祉課や包括支援センター等の協力機関と連絡調整を行った。ついで、28年9月にA市S地の高齢者を対象に、スピリチュアリティ尺度、世帯の状況、病気の有無、日常生活動作と活動能力、死別体験、生活満足度等を網羅した健康に関するアンケート調査の分析を行った。その分析結果と今までに行った他の地域の調査結果も含めて検討し、健康生活の支援に着手した。 分析結果では、スピリチュアリティ得点との関連要因(重回帰分析)では前期・後期高齢者共に精神的自立性が高値を示した(p<0.01)。
高齢者の健康の定義を「自立生活を保障する活動能力や健康感、および精神的充実」(芳賀ら)とし、スピリチュアリティ得点と健康との関連を分析した。その結果から、高齢者のスピリチュアリティの視点の健康は既存の健康の定義では推しはかれないwell-beingを推し進める独自な視点を持つことが確認されたといえよう。
以上の結果に基づき、平成30年年1月~3月にスピリチュアリティの視点を持つ健康生活支援の介入研究の予備調査を行った。スピリチュアリティ尺度の構造から、「自分の心に向かう-自己存在の探求」を中心とした高齢者の健康支援の具体的な手がかりの一つとして、「笑いヨガ」教室を実施した。
実施方法は公募した対象20名に3回、健康支援教室を実施した。毎回、ストレスの増減測定のために唾液アミラーゼ測定と、血圧測定を行い、さらに、1回目と3回目にはスピリチュアリティ尺度、精神的健康度(抑うつ症状)、健康度自己評価を測定し、効果を検証した。その結果、実施後にはスピリチュアリティ尺度得点の増加傾向が示され、本調査に向かうところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

対象地域の高齢者アンケート調査結果に基づき、スピリチュアリティに焦点をあてた健康生活支援の実証研究の予備調査を行ったところ、予備調査では予想される結果が得られたので、その結果に基づき、本調査に入るところである。
地域高齢者1,500名から回答を得たアンケート調査の結果分析に時間を要し、さらに、スピリチュアリティの視点を持った健康生活支援として何を行うかという検討に時間を要したが、支援内容が決まってからは、予定通りすすんでいる。
スピリチュアリティ概念について、研究者の方向性を定めるために、スピリチュアリティ研究者を招いて講義を受け、意見交換をすることでスピリチュアリティの視点を深めることができた。
介護保険事業計画・第7期計画を調べ、スピリチュアリティを視点とした健康生活支援を行っている市町村は見当たらず、心の健康づくりを行っている市町村の健康づくりの状況を把握・分析した。
先進事例として国外のスピリチュアリティの視点を持った健康支援にも目を向けて把握・検討していきたい。

今後の研究の推進方策

神奈川工科大学の30年2月の倫理審査を経て、予備調査結果に基づき、健康生活支援のための本調査を実施するところである。
本調査ではスピリチュアリティ尺度の概念モデルに基づき、「自分の心に向かう」として位置づけた「笑いヨガ」の他に、「乗り越えてきた道のり」「生きている限り」に着目して、回想法に準拠した「自分らしく今を生きる」教室を取り入れて研究を進める予定である。すでに対象者の公募に取り組んでいる。本調査では、対照群を設定して、スピリチュアリティに焦点をあてた健康生活支援のためのプログラムの評価を行う。
これらの結果を対象地域の高齢者や市民に公表して、広く意見を取り入れていく予定である。先進事例として国外のスピリチュアリティに焦点をあてた健康生活支援の実態にも目を向けて把握していきたい。

次年度使用額が生じた理由

【理由】29年度はスピリチュアリティを焦点とした高齢者の健康生活の支援の実証研究の取り組みは、アンケート調査結果の分析に時間を要し、実証研究の開始がやや遅れてしまった。予備調査の結果を経て、本調査の取り組みを開始しているが、概ね遅れを取り戻し、予定通り進んでいる状況である。 本研究の目標の一つである国内外の先進事例の把握に関しては、国内の検討はある程度取り組んでいるが、国外のスピ入りチュアリティの視点の健康支援に関する把握が予定通りに進んでいない。

【使用計画】翌年分として請求した助成金を合わせて、国内外のスピリチュアリティ(こころの健康)に視点を持った先進事例の把握を積極的に行い、30年度の健康支援研究に活用して行く予定である。特に海外の先進事例の把握・検討を進めていく。また、本調査として行う予定の回想法を取り入れた「自分らしく生きる」教室の方法や内容について、研究者との話し合いや学習会にも参加し、滞りなく進められるようにしていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] スピリチュアリティと高齢者の健康づくりの支援に関する基礎調査2017

    • 著者名/発表者名
      三澤久恵,佐口清美
    • 学会等名
      日本スピリチュアルケア学会
  • [学会発表] 地域高齢者のスピリチュアリティと健康2017

    • 著者名/発表者名
      三澤久恵,佐口清美,畠山玲子,坂東美知代
    • 学会等名
      日本健康医学会

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公開日: 2018-12-17  

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