研究課題/領域番号 |
17K12431
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
久保田 正和 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (80452267)
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研究分担者 |
上山 ゆりか 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (20773154)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 認知リハビリテーション / 脳活動計測装置 / 看護ケア |
研究実績の概要 |
認知症予防は介護予防の中でも最も重要性が高い内容である。認知症予防の対象となるのは、正常老化の高齢者および、認知症と診断される前の段階である軽度認知障害の範囲にある人とされている。急速に認知症患者が増加している現状から、上記対象者に認知症の予防あるいは進行緩徐を目的とした、科学的根拠のある認知リハビリテーションを確立することは喫緊の課題である。今回、認知リハビリテーション介入で利用するツールは、先行研究において認知機能評価の向上効果を認めた非薬物療法(岩田和彦:精神神経学雑誌、2013)を改訂したものであり(IWATAモデル)、脳血流量データとの相関が認められるのではないかと予測している。認知症治療ガイドラインの中で、非薬物療法は実施するよう推奨されてはいるが、科学的根拠が得られていないと明記されている。本研究で認知リハビリテーションと脳血流量データに相関が見られれば、重要なエビデンスの一つが付与されるといえる。対象者には「通常行われている認知機能維持プログラム」と、「認知リハビリテーション(IWATAモデル)」を実施しながら、脳活動量計測装置(fNIRS) による脳血流量の計測をおこなう。29年度は対象者に実施する前に、本学の学生を対象にfNIRSを装着したうえで、各プログラムのプレテストを行い、プログラムの構成や方法を確認した。学生の研究協力により得られたデータは現在分析中であるが、認知リハビリテーションに対するfNIRSの計測結果は概ねダイレクトな反応を示している。今後は認知リハビリテーションを実施する際に、看護学的な関わりの有無が脳活動量に与える影響について検討を加える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度は、認知リハビリテーションを実施した際に、その効果として脳活動計測装置がダイレクトに反応を示すことや、プロトコールの確認と修正を行う予定であった。29年度は4名の学生を対象に予備実験を行い、脳活動計測装置のダイレクトな反応を得られた。また、予備実験の結果、プロトコールの修正を行った。これらのことから本研究は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、認知症予防の対象となる正常老化の高齢者および、認知症と診断される前の段階である軽度認知障害の範囲にある人を対象に介入研究を進めていく。対象者には「通常行われている認知機能維持プログラム」と、「認知リハビリテーション(IWATAモデル)」を実施しながら、脳活動量計測装置(fNIRS) による脳血流量の計測をおこなう。また、認知リハビリテーションを実施する際に、看護学的な関わりの有無が脳活動量に与える影響について検討を加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度は大学での教育dutyのため、予定していた学会参加などができず、次年度使用額が生じた。次年度は学会発表を含め、積極的に関連学会に参加し、研究成果の発信、情報の収集に努めていく。
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