最終年度はこれまでの語り合いについて、それぞれのインタビューのまとめと3回の語り合いを通して、介護や終末期の医療についての認識の変化や家族への高齢者自身の意思を伝達することについて、再度調査内容を見直した。これはCOVID-19の流行が落ち着いてはきていたが、感染者数の増減が繰り返され、多数の高齢者への介入が困難であり、介入の対象者や調査場所を変更すること等様々検討したが、研究の相談をしても集まって語り合いをするという状況にはならず、実施が困難であった。しかし、この先も本研究は継続していくため、効果的な介入の方法について検討を行い、この先の意思決定支援に役立てられるリビングウィル(エンディングノート)の検討を実施した。これはこれまでの調査内容を元に、より高齢者が取り組みやすい介護や終末期の意思決定に関するリビングウィルを文献や各自治体が発行しているエンディングノート等を集め、作成を行った。 平成29年から実施した本研究の内容については、地域に住む健康な高齢者の「老いの認識や老いへの対処方法」「介護に関する認識や要介護になったときの準備状況」「終末期の医療に関する希望やリビングウィルの作成」について、高齢者同士で語り合いを実施し、それぞれのテーマに応じた全体像と構成を明らかにすることができた。また3回の語り合いを通じて、高齢者自身の認識や家族への伝達意識を、調査終了時には高めることができた。また高齢者の意見を元にリビングウィルの項目を厳選し、地域在住の時点で必要な内容を抽出し、記入するノートを作成した。
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