研究課題/領域番号 |
17K12446
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
則包 和也 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (00342345)
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研究分担者 |
多喜代 健吾 弘前大学, 保健学研究科, 助手 (00782799)
川添 郁夫 青森中央学院大学, 看護学部, 准教授 (80624741) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 訪問看護 / 統合失調症 / メタ認知 |
研究実績の概要 |
当該年度では、3名の対象者(統合失調症を持ち、地域生活をしながら訪問看護を利用している方)から本研究への同意が得られ、メタ認知トレーニング(以下、MCT)を実施した(内1名は現在実施中)。実施は担当の訪問看護師が、通常の訪問時間帯に実施した(週1回約20分間、12回)。2名の対象者は、20歳代と40歳代の男性であり、MCT実施終了後に本研究者が半構造化面接を行った。 面接での対象者の発言から逐語録を作成し、一つの意味内容を一単位として客観的にデータ化を行った。そこから抽出された29のデータを分類し、【訪問看護師が実施するメリット】と【変化】の2つの大カテゴリーが抽出された。【訪問看護師が実施するメリット】は「やりやすさ」「楽しさ」「安心感」の3つの小カテゴリーに分類された。【変化】は「認知」「考え方」「視野」「感情」「対処方法」の5つの小カテゴリーに分類された。これらのカテゴリーを検討した結果、対象者と顔見知りである訪問看護師の介入は、対象者の対人的な緊張を防ぎ、MCTを楽しみながら受けることにつながると考えられた。またMCTの実施において、信頼関係の構築がMCTの効果を高める可能性が示唆された。 上記の分析結果は、2019年の7月にベルリンで開催される9th World Congress of Behavioural & Cognitive Therapiesにて採択され、発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
訪問看護を利用している統合失調症患者が対象者であることから、本研究の説明を丁寧に行い、研究への協力についてじっくり考える時間を提供している。そのため、本研究の進捗状況にやや遅れが生じていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の対象者数を増やすために、県内の訪問看護ステーションへの協力依頼が必要と考える。協力が得られた場合に課題となるのは、端末タブレットの数である。現在、1台のノートパソコンを購入して使用しているが、将来的には3台の端末タブレットの購入を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本額(961円)は次年度分の助成金と合わせて、有効に使用する予定である。
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