研究実績の概要 |
本研究は、個人用メタ認知トレーニング(以下、MCT+)を用いた精神科訪問看護師の介入が、利用者にどのような影響を及ぼすのかについて検討することを目的として実施した。2017年には、訪問看護ステーションAのスタッフにMCT+の説明会を行い、研究参加への同意を得た。さらに第27回日本精神保健看護学会(2017年6月)のMCT+のセミナーおよびWFMH(世界精神保健連盟)の学会での示説発表(11月ニューデリー,インド)によって、MCT+の普及啓発を実施した。 2018~2019年には、6名の対象者(統合失調症を持ち、地域生活をしながら訪問看護を利用している方)に介入を実施後、対象者と介入した訪問看護師に半構造化面接を行った。その分析結果をドイツの国際学会で示説発表した際、MCT+の開発者であるS.Moritz氏と会い、有益な情報交換ができた(9th World Congress of Behavioural &Cognitive Therapies;2019年7月,ベルリン)。 2020~2022年は、コロナ渦の影響で実際の介入が困難であり、メタ認知トレーニング(MCT+を含む)を実施した経緯や概要等を主な内容として執筆した論文が掲載された(メタ認知トレーニングが私たちにもたらすもの、地域ケアリング10)。また、MCT(グループ用)とMCT+の実践に関するノウハウを伝えるガイドブックの1章を担当し執筆した(メタ認知トレーニングをはじめよう!,石垣琢麿編,星和書店)。 2023年にも利用者への介入が困難であったが、これまでの本研究者の介入研究の総まとめとして、インドの国際学会で示説発表を行い、研究者と情報交換を行うことができた(8th Asian CBT Congress,ニューデリー,2024年2月)。現在は、面接データのさらなる分析と検討を行い、論文執筆を継続している。
|