研究課題/領域番号 |
17K12455
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
竹田 裕子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (60598134)
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研究分担者 |
小野 光美 大分大学, 医学部, 准教授 (20364052)
原 祥子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90290494)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 虚弱高齢者 / 生活の質 / 夜間頻尿 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,夜間頻尿を有した高齢者で,介護を必要とする状態に至っていない,虚弱な高齢者に焦点をあて,生活の質の向上を目指し,虚弱高齢者が有する夜間頻尿とそれに伴っておこる生活上の困りごとを理解し,支援していくプログラムを開発することである。 本年度は虚弱になるリスクのある要支援高齢者の生活状況や支援に関する文献検討について発表する準備を行った。また,夜間頻尿のある高齢者やその家族に対して,夜間頻尿のある生活についての聞き取り調査を行うための,インタビューガイドの作成のために,在宅で生活されている高齢者数名に対して,夜間の睡眠や排尿に関する状況についてヒアリングを行った。それらを整理し,夜間頻尿のある高齢者に対するインタビューの準備をしている。在宅医に対して行ったヒアリングからは,独歩で来院が可能な高齢者で夜間頻尿の症状のある高齢者に対して,投薬等で改善されない場合,水分摂取を控えることは積極的に勧めず,水分摂取の内容や水分摂取の摂取時間等についての生活指導を中心に行っていることや,高齢者は夜間頻尿の訴えだけがあるわけでないため,先行研究等でも明らかにされているように,専門診療科以外のクリニックにおいては,排尿日誌の活用については積極的に用いられていない現状があることが分かった。排尿日誌は排尿の状態を客観的に捉えることができるため,支援プログラムの試案の中には,高齢者や家族の方が記載しやすいように記載内容や記載するための工夫について盛り込むことを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
一般のクリニックにおいては,夜間頻尿の症状のある高齢者に対する排尿日誌の活用については積極的に行われていない様子が見うけられた。排尿日誌は排尿の状態を客観的に捉えることができるツールであり,支援プログラムを作成するうえでは必要なものと考え,現在使われている排尿日誌を在宅で生活される虚弱な高齢者やその家族が記入しやすいようにするための工夫について丁寧に検討した。また,夜間頻尿のある高齢者やその家族に対して,夜間頻尿のある生活についての面接調査の準備に,時間を要してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのヒアリング等を踏まえ,夜間頻尿のある高齢者やその家族に対して,夜間頻尿のある生活についての面接調査を行う。さらに,その内容を踏まえ,在宅医とも連携をとりながら,在宅で虚弱高齢者を支援している看護職と,虚弱高齢者が有する夜間頻尿とそれに伴っておこる生活上の困りごとを理解し,支援していくプログラムの試案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は学会での発表を行わなかったため,旅費での使用がなかった。データの整理と,メール会議等で使用するためのパソコンや記録メディアといった物品が予定以内での支出となった。 調査のためや学会での発表のための旅費,調査をまとめる際の物品費に研究費を使用する。
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