研究課題/領域番号 |
17K12463
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
菊地 ひろみ 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (80433134)
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研究分担者 |
御厩 美登里 札幌市立大学, 看護学部, 助教 (90707564)
高橋 奈美 札幌市立大学, 看護学部, 講師 (30452981)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 在宅療養者 / 訪問看護 / レジリエンス / 看護介入 / 家族 |
研究実績の概要 |
胃ろう・人工肛門の造設、人工呼吸器装着など医療依存度の高い状態となって在宅療養を開始した患者が日常を恢復し、生活を再構築する過程において、患者のレジリエンス(resilience)がどのような要素から構成されているかを明らかにすることを目的に、13名の在宅療養者に対して半構造化インタビューを行い、M-GTA(修正版グラウンデッドセオリーアプロー)を用いて分析した。 「周りに働きかけ力を活用する」「家族の力を信じる」「周囲の支援に感謝する」「自分で考え修正する」「適度な楽天さ」「適度ないい加減さ」など12の概念が生成された。 在宅看護は、家族や近隣、サービスが混在して支援を行うという特性があり、療養者自身が格闘するだけでなく、家族や地域に働きかけて力を活用し、家族に任せ信じることである。また、自分の生活の様子に合わせて自分で考え、適度にいい加減に修正できることは、退院後の長い期間、医療処置をセルフケアするのに必要である。インタビュー対象者全員が家族や医療者に感謝を表出しており、周囲の支援に対する感謝の表出が、さらなる周囲の力の活用につながっている。 抽出した在宅療養者のレジリエンスの概念から、医療依存度の高い療養者の在宅生活の再構築に向けた看護支援のモデルを考案し、その導入を試みることを予定している。今後一層進む在院日数の短縮化と在宅療養の促進において、レジリエンスを基盤とした看護モデルを用いた看護実践は、在宅療養者の日常生活の恢復に役割を発揮すると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者が育児休暇を取得したため、インタビュー調査実施と分析に遅れが生じた。また、研究者と協力関係にある訪問看護事業所の協力を得て看護モデルに基づく看護実践を計画しているが、新型コロナ感染症により実施のめどが立っていない。
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今後の研究の推進方策 |
訪問看護事業所の協力を得て看護モデルに基づく看護実践を計画しているが新型コロナ感染症の拡大状況により計画の変更が生じる。在宅療養者へのモデル実践による仮説検証型研究デザインを変更し、生成したモデルに対する訪問看護ステーション管理者による専門家会議にの意見交換により評価することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー対象者が予定数を下回ったことと、文字起こしの費用が少なかったことが主な原因である。学外研究協力者への謝礼用として使用予定である
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