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2022 年度 実績報告書

地域で生活する統合失調症患者のResilience尺度の開発とその強化要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K12464
研究機関茨城県立医療大学

研究代表者

中村 博文  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90325910)

研究分担者 渡邊 尚子  東邦大学, 健康科学部, 教授 (30305388)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードResilience / 統合失調症 / 構造分析
研究実績の概要

最終年度の研究実績は以下のとおりである。
本研究の目的は,地域で生活する統合失調症患者のresilience要因について明確にし,地域生活でより良く生活するための看護実践を検討することであり,最終年度は,地域で生活する統合失調症患者のresilienceを構成する要因の構造を明らかにした。関東圏内の地域で生活する統合失調症患者240名を対象とし,調査内容として,resilienceを「統合失調症を抱えながらも,力強く生活する逆境力」と定義し,「病気の回復には何が必要か」ということを質問した。記載内容をカテゴリー化し,質的帰納的に分析した。その結果,【さまざまな面からの理解があること】【日々の生活を大切にすること】【自分を尊重できること】【コミュニケーションが取れること】の4つの大カテゴリーが抽出された。resilienceを構成する要因の構造的分析として,最も基盤となることは【日々の生活を大切にすること】であると考えられる。そして【様々な面から理解があること】によって信頼性を形成し,【コミュニケーションが取れること】によって協調性が強化される。またそこのような状態に至るまでは,統合失調症の病気ゆえの障壁を乗り越えていかなければいけないと予測される。それを乗り越えた時に【自分を尊重できるということ】につながっていくことに示唆される。
2017年度から5年間にわたって,本テーマに取り組んできたが,量的分析においては,resilienceと自尊感情,自己効力感との関連性が非常に高く,質的研究においては,「家族の支援」「他者の理解」等,情緒的なサポート体制と関連性が抽出された。これらのことから看護実践として,意思決定をともに行い,その人を尊重するような関わりをすること。また,家族の支援を十分に発揮していただくために家族教育等の支援プログラムを気軽に行えるような体制づくりが必要である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 地域で生活する統合失調症患者におけるresilienceの要因についての質的分析2023

    • 著者名/発表者名
      中村博文,渡辺尚子
    • 雑誌名

      均衡生活学

      巻: 13 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] オンラインにおける患者参加型精神看護学実習の学習効果と課題2023

    • 著者名/発表者名
      阿部 準子,糸嶺 一郎,中村 博文
    • 雑誌名

      茨城県立医療大学紀要

      巻: 28 ページ: 87-98

    • 査読あり
  • [学会発表] Qualitative Analysis of Support in Community-Dwelling Patients with Schizophrenia2023

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Nakamura
    • 学会等名
      26th East Asian Forum of Nursing Scholars Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Self-Supporting Resources Based on the Resilience Concept of Community-Dwelling Schizophrenic Patients.2022

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Nakamura
    • 学会等名
      25th East Asian Forum of Nursing Scholars Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Qualitative Analysis of Resilience Factors in Community-Dwelling Schizophrenic Patients.2022

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Nakamura, Naoko Watanabe
    • 学会等名
      The 7th International Nursing Research Conference of World Academy of Nursing Science(7th WANS)
    • 国際学会
  • [学会発表] オンラインにおける患者参加型精神看護学実習の学び2022

    • 著者名/発表者名
      阿部準子、糸嶺一郎、中村博文
    • 学会等名
      第32回日本精神保健看護学会学術集会
  • [学会発表] 精神科看護実践能力に関連する要因2022

    • 著者名/発表者名
      阿部 準子,中村 博文
    • 学会等名
      第41回日本看護科学学会学術集会
  • [図書] 精神看護学実習ハンドブック2022

    • 著者名/発表者名
      一般社団法人日本精神科看護協会、草地仁史、中村博文、畠山卓也、三谷梨絵子、若井亮治
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      中央法規出版
    • ISBN
      9784805887714

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公開日: 2023-12-25  

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