研究課題/領域番号 |
17K12466
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
今福 恵子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (80342088)
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研究分担者 |
鈴木 俊文 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (60566066) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 難病患者 / 災害時支援 |
研究実績の概要 |
本研究は重度難病患者に対する、災害対策に有用な「重度難病患者における災害時対応訓練プログラムの開発」を目的に、3次元(3D)ソフトを活用した家庭内DIGと仮想現実(VR)空間体験と簡略化した訓練シート開発、訓練実施を含め、4年計画で取り組むものである。当該年度は、神経難病のパーキンソン病療養者に対するインタビュー調査とその分析を行い、その結果を訓練シートの関連で考察した。 1)備蓄内容について 水・食料・薬の備蓄をしている人が多かった。パーキンソン病は特に薬での管理が重要であり、薬と水についての意識が高かった。外出時にも薬や水を携帯している人も多かった。食料については、3日~5日程度の備蓄はしている人、特に意識していない人など様々であった。また近隣の畑があるので、季節的に食材が得やすい人や、近隣にスーパーがないため、買い物も1週間分まとめて買っていることや、災害時に道路が閉鎖されたこともあり、備蓄に関して意識が高い人もいた。それぞれ居住している地域性も関連していた。 2)避難経路、避難方法、近隣との付き合いについて 避難経路や避難方法、近隣との日頃からの付き合いや災害時の協力の依頼はしておらず、家族とも特段話し合いをしていない人が多かった。最近現在の居住地に転居したこともあり近所との付き合いもなく、積極的に取ろうとする意志も乏しいため、地域の互助的な取り組みの情報が得られにくい様子も伺われた。 地域防災訓練について、障害のため参加が困難なことから、訓練シートの項目作成時に、日頃からの関わり、災害時の支援依頼についての項目を追加する。さらに転居等地域の互助的情報収集が困難なケースについての支援も考慮していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は重度難病患者に対する、災害対策に有用な「重度難病患者における災害時対応訓練プログラムの開発」を目的に、3Dソフトを活用するため、昨年度課題であった。3Dソフトの選択について終了した。様々なソフトが開発される中で、本研究の目的に該当するソフトについて、今後はその購入と、家庭内DIGの作成である。 今年度は、インタビュー調査から、災害訓練シートに必要な項目を大まかであるが決めることができた。神経難病の種類や障害の度合いによって、備蓄が必要な医療ケア物品、人工呼吸器など個別性が重視されるため、訓練シートもいくつかパターンが必要である。 また3Dソフトで作成する家庭内DIGには、実際に難病患者宅において撮影や記録等見取り図が必要であるため、目的に応じた療養者選定と作成完成を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、3Dソフト購入、家庭内DIG作成、訓練シートの完成、実施を目指す。 しかし新型コロナウィルスのため、抵抗力の弱い難病患者宅での撮影や訓練実施等、感染対策について指針を作成し、実施に向けて協力依頼をすることが求められる。 状況に応じては、訓練実施については延期・中止、または訓練内容や訓練方法の企画変更等を考慮する必要がある。療養者やご家族の安全第一に研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度3Dソフトの選定等決定に時間がかかり、購入に至らなかったため、3DソフトとVR機器の購入分の差が生じた。 次年度は、選定した業者と購入や使用方法の支援について早期から検討していく。また最終年度になるため、家庭内DIG等の作成に年度当初から取り掛かる予定である。
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