研究課題/領域番号 |
17K12471
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20401961)
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研究分担者 |
松田 光信 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90300227)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ストレングス / 精神看護 / プログラム / トレーニング |
研究実績の概要 |
研究3年目にあたる2019年度は、ストレングスに関する文献を網羅的に収集し、概念の再分析を試みた。 具体的には、Rodgers(2000)の概念分析法に基づいて文献を収集し、それを分析することによって概念の属性、先行要件、帰結を明らかにするという手順をとった。分析の結果、精神障害をもつ人のストレングスは、【行動を起こす原動力】【成長や変化を生み出す能力】【個人特性】【潜在する力】【活用可能な社会資源】という5つのカテゴリーからなる属性、【専門家主導の支援】【社会的不利】【精神障害者の特性】という3つのカテゴリーからなる先行要件、【精神状態の安定】【社会生活技能の改善】【充実した地域生活の実現】という3つのカテゴリーからなる帰結で説明された。 研究結果より、精神障害のストレングスは、当事者の夢や希望を原動力に、これまでに獲得した能力や経験により形成された個性などを力として、充実した生活を目指す概念であることが明らかになった。看護実践への示唆として、看護師が精神障害者のストレングスをアセスメントして当事者に伝えることや、当事者のこれからの人生の目標を共に考えようとする働きかけを行う必要があることが確認された。また、看護師は、当事者のリカバリーの段階に合わせて希望を引き出すことを意図して丁寧に働きかける必要があると考えられた。そして、これらの示唆に基づいて看護師を対象とした教育プログラム内容の検討を始めた。 今後は、この成果を基に教育プログラムの内容を充実させると共に、関係者を対象にした調査のためのリクルートと、実施に向けた準備を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題に関する専門学会での情報収集や、概念分析結果を生かした教育プログラムの検討に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
早急に、教育プログラムの内容を充実させ、教育プログラムを構築すると共に、プログラムの評価方法を検討する。そして、プログラム実施に向けたリクルートに関する準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より、概念分析結果を活用した教育プログラムの検討に時間を要したため、検討後に必要な物品費については購入にいたらなかった。次年度は、プログラム構築に必要な物品費や、プログラムのリクルートおよび実施に関する費用を支出する計画である。
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