研究課題/領域番号 |
17K12472
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岡本 双美子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (40342232)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / 在宅 / 終末期がん患者 / 看取り / 評価 / 訪問看護 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
【目的】在宅療養中の終末期がん患者と家族の看取りに関する意思決定に対して、訪問看護師がどのような支援を行っているのかを明らかにする。 【方法】対象は近畿圏内の訪問看護ステーションで勤務し、がん患者と家族への看取りに関する意思決定支援を行った経験のある訪問看護師である。半構成的面接ガイドラインと個人特性調査票に基づいた面接によりデータ収集し、逐語録にして看取りに関する意思決定支援の内容を文脈単位で抽出、これに意味内容が損なわれないように名称をつけてコード化し、類似したものを集めてサブカテゴリー化、カテゴリー化した。研究の信頼性と妥当性確保のため、在宅看護の実践教育経験のある研究者・看護師と検討を重ねた。研究期間は2017年1月~8月であった。 【結果】対象は6名、平均年齢47.7歳、全員が女性、認定看護師または専門看護師で、在宅終末期がん患者と家族への看護経験は10.3年であった。 在宅終末期がん患者と家族の看取りに関する意思決定支援として、<退院前後の早い段階で在宅療養の意向を確認する><病状変化時や変化を自覚した時に在宅療養の意向を確認する><普段から在宅療養の意向を確認する><病状と今後の予測に関する理解を促す><悔いのない選択ができるように揺れる気持ちを支える><最善の選択ができる力を信じて支える><その人らしく生きられるように多職種で支える><早期からの支援ができるように準備をする>の8カテゴリーが抽出された。 【考察】在宅終末期がん患者と家族の看取りに関する意思決定支援は、退院前や退院直後、病状変化時や体調変化を自覚した時というタイミングだけでなく、普段から話をする中で何度も行われていることが明らかになった。また早期から患者・家族の揺れる気持ちを理解して丁寧に行われており、在宅終末期がん患者の特徴に合わせた介入が重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた計画が実施でき、2月には学会発表も行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、日本における在宅終末期がん患者とその家族への訪問看護師の意思決定支援に関する研究を行い、論文にまとめているところである。今後は、Palliative Care先進国であるイギリスにおける在宅終末期がん患者とその家族への訪問看護師の意思決定支援について研究を実施し明らかになった研究成果を、日本と比較する予定である(H30)。 そして、終末期がん患者とその家族への意思決定支援に関する看護師への教育プログラムの開発につなげる予定である(H31)。
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