研究課題/領域番号 |
17K12472
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岡本 双美子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (40342232)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / 在宅 / 終末期がん患者 / 看取り / 訪問看護 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
【目的】早期から、積極的に残された時間の過ごし方の意思決定支援を実施している英国における在宅終末期がん患者と家族の看取りに関する意思決定に対して、訪問看護師がどのような支援を行っているのかを明らかにし、今後のわが国の在宅における終末期がん患者と家族への意思決定支援のあり方について検討するための基礎的資料とすることである。 【方法】対象は、英国北西部のLancashire Care NHS Foundation Trustに属する訪問看護ステーションで勤務し、終末期がん患者と家族への看取りに関する意思決定支援を実施したことのある訪問看護師とした。データ収集方法は半構成的面接法とし、個人特性調査票と半構成的面接ガイドラインに基づいてインタビューを実施した。インタビュー内容は逐語録にし、看取りに関する意思決定支援を実施する時期とその内容、大事にしていることについて記載されている部分を抽出し、意味内容が損なわれないようにコード化した。抽出したコードは、意味内容の類似したものを集めて分類し、その共通性を見出し名称をつけてサブカテゴリー化、カテゴリー化を行った。研究の信頼性、妥当性を確保するため、質的研究の実績および在宅看護の実践経験のある研究者と訪問看護師により検討を重ねた。 【結果】研究協力者は訪問看護師10名、全員が女性であった。看護師経験年数は4~36年、訪問看護経験年数は3~20年であった。現在、10名の逐語録を分析しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた緩和ケア先進国である英国において在宅終末期がん患者と家族の看取りに関する意思決定に関するインタビューを実施することができ、学会発表を行うために分析中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、早期から積極的に残された時間の過ごし方の意思決定支援を実施している英国における在宅終末期がん患者と家族の看取りに関する意思決定に関する研究を行い、昨年度明らかになった結果と比較し、学会発表と論文投稿に向けてまとめているところである。今後は、日本における在宅終末期がん患者とその家族への訪問看護師の意思決定支援に関する教育プログラムの開発を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果を国際学会で発表する予定にしていたが、予定していた国際学会が開催されなかったことから、次年度開催予定の国際学会で発表することに変更する。計画予定である教育プログラムの開発について、国内の専門看護師などを対象としたグループインタビューに追加して、緩和ケア先進国である英国の研究者あるいは訪問看護師に助言をいただくことを同時に実施する予定である。
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