研究課題/領域番号 |
17K12473
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
深山 華織 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (40613782)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 就労介護者 / ワーク・ライフ・バランス / 日中独居高齢者 / 介護支援専門員 / ケアマネジメント |
研究実績の概要 |
わが国の要介護高齢者数は急速に増加していることに伴い,介護・看護のために離職する家族介護者が増加し社会的問題となっている.先行研究から,家族介護者は就労を継続することに経済的理由や自己の存在意義,楽しさを感じており,仕事と介護の両立への意欲となっていることが明らかになっている.また,仕事によって介護から離れられる時間を確保することで,心の安定を図っており,ワーク・ライフ・バランスを保つことが重要な課題となる.そこで,本研究では,家族介護者の仕事と介護の両立のためのワーク・ライフ・バランスに着目し,要介護高齢者のセルフマネジメント,インフォーマルサポート,フォーマルサポートと就労している家族介護者のワーク・ライフ・バランスとの関連について明らかにすることを目的としている. 今年度は,家族介護者の就労継続のための介護支援専門員の支援について明らかにすることを目的に質的記述的研究を行った.研究対象の介護支援専門員は,4か所の居宅介護支援事業所に所属する9名で,1名あたり1~2事例についてインタビューガイドに基づき,半構造的面接調査を行った.研究対象の要介護高齢者および家族介護者は,14名ずつであった. 介護支援専門員は,まず就労している家族介護者の就労に関する意向やその背景,介護に関する意向や介護力などをアセスメントしていた.そして,起こりうる課題への対応・調整等の問題解決のための支援,家族の負担を増やさないよう不安をあおらないタイミングでの情報提供・介入等のリスク回避のための支援,今できていることを維持するための対応・調整等のストレングスを活かした支援を行っていた.さらに,就労している家族介護者の都合に合わせたモニタリング等を通して,時間をかけて関係づくりを行っていた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は文献レビュー後,全国の訪問看護ステーションを利用している就労介護者を対象に郵送調査を行う予定であった.文献レビュー等を通して再検討を行った結果,介護支援専門員が行っている支援は,就労している家族介護者のワーク・ライフ・バランスにどのような影響があるのかについて検討することに意義があることがわかった.そのため,当初の予定から変更して調査を行ったため,進捗状況にやや遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
今後,本研究において以下の計画のもと進めていく. ① 介護支援専門員に行った面接調査の成果について,信頼性・妥当性を高めるため,在宅看護学領域やケアマネジメントの専門家からスーパーバイズを受ける.また,学術学会での発表を通して,広く意見・評価を得る. ② 介護支援専門員に行った面接調査の成果をもとに,就労している家族介護者のワーク・ライフ・バランスへの影響を明らかにするために,郵送調査を実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)今年度予定していた郵送調査から変更し実施した面接調査の分析が遅れているため.
(使用計画)今年度の研究成果をもとに行う郵送調査に伴う郵送代や謝金,データ収集・分析に伴う人件費や消耗品・資料収集等に使用する.
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