研究課題/領域番号 |
17K12480
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
浜端 賢次 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (80287052)
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研究分担者 |
春田 淳志 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (70758911)
宮林 幸江 自治医科大学, 看護学部, 教授 (00381418)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 地域包括ケア病棟 / 多職種連携 / 医介連携 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究に関連した文献検討を行い、質問紙調査項目の再整理を行った。当初の予定では地域包括ケア病棟に入院する認知症高齢者の実態調査を行う予定にしていたが、実態を把握する項目には地域包括ケア病棟の実状を反映した質問紙項目の設定が必要ではないかとの見解に至った。そのため、最初に、地域包括ケア病棟に関する調査報告:「地域包括ケア病棟協会 平成28年度地域包括ケア病棟の機能等に関する調査」を検討した。報告書では、入院患者のDPC/PDPS主要診断群による分類に注目し、筋骨格系疾患16%、呼吸器疾患、外傷・熱傷・中毒、14%、消化器疾患(肝臓、胆道、膵臓疾患)13%の順に注目した。これらの疾患と認知症がどの程度の割合で出現しているかを質問紙で確認する必要性を確認した。また、入院元は院内53%、自宅・介護施設等35%の順に多かった。そのため、地域包括ケア病棟では自宅と介護施設に戻ることを想定し、どのような多職種専従チームが必要かを探る質問項目を設定することを検討した。また、認知機能低下を合併する頻度が高いサルコペニア患者とリハビリ栄養、認知症患者の6剤以上の投薬患者への減薬指導の重要性などを文献から確認し、これらの内容も質問紙の中に組むことを確認した。次に、認知症高齢者を支援する多職種専従チームを検討するにあたって、医介連携の現状と課題を検討した。その結果、連携尺度の開発が必要となることを確認した。そのため、多職種専従チームを検討するための連携尺度内容を質問紙項目に設定することを検討した。 今年度は、これらの文献検討を踏まえた結果から質問紙項目を作成することにとどまっており、次年度より質問紙の実施を試みることを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は地域包括ケア病棟に入院する認知症高齢者の実態調査を行う予定であった。しかし、文献検討を行う中で、地域包括ケア病棟の特性を再度検討した上で調査を行う必要性があることが分かった。特に、地域包括ケア病棟協会の報告書を振り返り、診断分類や入院元などを踏まえ質問紙調査を検討する必要性を感じた。 また、多職種専従チームを検討するにあたり、地域包括ケアにおける医介連携の文献にあたり、その内容を質問紙調査項目に設定することが重要であることが分かった。これらのことから、質問紙調査項目内容を生成することに今年度は重点を置いた方が良いと考え、文献検討を実施したため、予定より遅れてしまっている現状がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、早急に「地域包括ケア病棟における認知症高齢者の実状に関する質問紙調査」を実施することである。そのためには、完成した質問紙調査のパイロットスタディを早急に行い、質問紙調査を実施する。 さらに質問紙調査で得られた結果から、認知症高齢者の実状を概観し、フォーカスグループインタビューにて多職種専従チームを検討することを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は質問紙調査を行うことまでを計画して予算を組んでおりました。しかしながら、全体的に実施することが遅延してしまったため、当初の予算の消化ができませんでした。したがいまして、次年度使用額が生じたため、初年度の計画通り質問紙調査を実施することを計画しています。
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