研究課題/領域番号 |
17K12494
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研究機関 | 湘南医療大学 |
研究代表者 |
片山 典子 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 准教授 (40612502)
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研究分担者 |
荒木田 美香子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (50303558)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 青年期 / 統合失調症 / 臨界期 / 訪問看護師 / 教育プログラム / 開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、初回精神病エピソードから5年以内の臨界期(以下、臨界期)の青年期統合失調症者の訪問ケアに困難を感じている訪問看護師を対象にした「青年期統合失調症者の臨界期に訪問看護を提供する訪問看護師のための教育プログラム」(以下、プログラム)を構築し、実施・評価したうえで、プログラムを開発する。さらに有用性を実践の訪問看護を行う場で実証的に検証する。臨界期は、最も脆弱性が高く、自傷や自殺、再発、家族機能の低下などさまざまな問題が生じやすい。この時期に訪問看護が適切に提供されることは「治療中断」を防ぐことに繋がり、患者や家族の安寧の維持や、患者の地域生活の維持にも繋がり、本研究の意義といえる。 平成30年度研究計画<研究2の実施> 今年度は、研究1の結果より作成した教育プログラムの実施・評価を行い、教育プログラム再検討をへて、教育プログラムの開発を行うことを目的としていた。 研究対象施設の選出にあたっては、全国の自立支援医療(精神通院医療)施設、精神科訪問看護を行っている施設対象に、研究の要旨を文書で説明し依頼した。同意を得られた医療機関の施設長の推薦を受け、調査対象者の選出を行った。臨界期の青年期統合失調症者の訪問看護に困難を感じている看護師で、研究協力の同意を得られた者を調査対象者とし、プログラムの前後に47項目からなる質問紙調査を行った。その結果、45項目がプログラム実施後に有意に高かった。また2項目がプログラム実施後に有意に低かった。今後は、この結果をもとにプログラムの再検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、研究1の結果より作成した教育プログラムの実施・評価を行い、教育プログラム再検討をへて、教育プログラムの開発を行うことを目的としていた。対象者目標数は、質問調査での統計解析に耐えうる数として100名以上を確保するとしていたため2019年3月までプログラムの実施を行った。そのためデータの回収、データ入力に時間を要し、その後のプログラム再検討に至っていないため、やや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究2の結果からプログラムの再検討を行い、プログラムの開発を行う。また研究2で開発した教育プログラム終了後に訪問看護の実践し、フォローアップ調査をへて有用性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度(研究2)の開催地にあたっては、事前の全国調査により精神科臨床経験および精神科訪問看護経験が少なく自信がないと回答する人の割合が、関西地域(31%)と関東地域(32%)と高い。調査対象者の目標数を確保するには、地域ニーズがあり、アクセスが良い地域での開催の必要があった。そのため、研究計画を実施するにあっては、旅費、有識者や研究協力者に対する謝礼が最低限度必要であった。しかし、安価な開催施設や無料の公共施設を使用することや今年度の実施度の有識者会議の会議が遅れていることで次年度使用額が発生した。次年度では、有識者会議を開催し、プログラムの開発を進めていく。
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