本研究の目的は、初回精神病エピソードから5年以内の臨界期(以下、臨界期)の青年期統合失調症者の訪問ケアに困難を感じている訪問看護師を対象にした「青年期統合失調症者の臨界期に訪問看護を提供する訪問看護師のための教育プログラム」(以下、プログラム)を構築し、実施・評価したうえで、プログラムを開発する。さらに有用性を実践の訪問看護を行う場で実証的に検証する。臨界期は、最も脆弱性が高く、自傷や自殺、再発、家族機能の低下などさまざまな問題が生じやすい。この時期に訪問看護が適切に提供されることは「治療中断」を防ぐことに繋がり、患者や家族の安寧の維持や、患者の地域生活の維持にも繋がり、本研究の意義といえる。 令和3年度研究計画<研究3の実施継続> 今年度は、研究2で開発した教育プログラム終了後に訪問看護の実践し、フォローアップ調査をへて有用性を検証することを目的にしていた。研究対象は、研究2の実施対象者に対して研究協力の説明を行い、研究協力の同意を得られた者を研究対象者とする予定であった。調査方法としては、同意を得られた調査対象者に教育プログラムで得られた知識・技術を実際の訪問看護の場面で実践してもらい、教育プログラムの有用性を検討した。フォローアップ対象者のみのプログラム前と後の比較では、47項目中37項目で平均点が上昇し、うち 4項目が対応のあるt検定において有意に増加した。また全対象者ではみられなかった「14.私は看護に必要な情報を直ぐ集めることができる」の項目で有意に増加した。
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