| 研究課題/領域番号 |
17K12497
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| 研究機関 | 中部大学 |
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研究代表者 |
渋谷 菜穂子 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (40324420)
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| 研究分担者 |
高橋 里沙 天理医療大学, 医療学部, 講師 (90596206)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 精神科看護師 / 怒りの経験 / 対患者場面 / 怒りの反応 / 精神科の理解度 |
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| 研究実績の概要 |
平成29年度の研究において、精神科看護師が対患者場面で怒りを体験した時→反応を起こすまでの経過を示す因果モデルを作成した（具体的には、【①精神科看護師が怒りを経験し→②怒りの原因（故意か否か、道理にかなっているか否か）により→③願望反応を喚起するものの→④コントロールが働くことで→⑤怒りの実行反応（実際の行動）が示される】という因果モデルを想定し共分散構造分析を実施した）。結果は、一般基準（GFIとAGFIが共に0.9以上）を上回らなかったものの、RMSEAなどの値より、結果の使用には耐えうると判断できた。そのため、精神科看護師が怒りを経験した場面で怒りを喚起した際、その原因が「正当か否か」によって、「反応したかった行動」がかなり高い確率をもって「実際の反応行動」として実行に移しやすくなることが明らかになった、とした。
平成30年度は、上記の因果モデルの分析を進めた。
その結果、「③怒りの願望反応→⑤怒りの実行反応」へ進む際、当初の仮説では、「怒りのコントロール（質問項目：今考えると、自分はどのように怒りをコントロールしたと思うか）」が大きな効果を示すであろうと考えていたが、実際の統計分析結果では-0.03という小さな値の効果しか見られないことがわかった。このことから、実行反応に至るまでの、「怒りのコントロール」に代わる別の要因の存在を考え、それを探る必要があるという結論に至った。その「怒りのコントロール」に代わる要因を探るべく、本研究代表者の別研究より導き出した「怒りの表出に影響を与えた要因」の中から最も影響が大きいと思われた「精神科の理解度（患者や疾患や関わり方など全てを含む）」を選び出し、まず、この「精神科理解度」チェック表を作成する必要性を考えた。
現在は、15項目に設定された「精神科の理解度」について、それぞれの下位項目（各５～６項目程度を想定している）を作成中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度の本研究課題に入る前に終了予定であった前段階の研究（＝平成29年度の研究）において、仮説に沿った結果が得られなかったため、軌道修正が避けられなくなり、本研究課題に取り組む前に、別の研究課題が必要となった。また、平成30年度前半に行う予定であった、別研究課題の文献収集と資料講読にも時間を要しているため、当初の計画より大幅に遅れることになった。
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| 今後の研究の推進方策 |
現在、上記「研究実績の概要」の欄に記載した「精神科の理解度チェック表」を作成を目指して文献講読中である。今後は、このチェック表を作成したのち、研究代表者及び研究分担者が居住する県内の精神科病院に勤務する看護師を対象にして、このチェック表の有用性を確認する予定である。具体的には、精神科の病棟／外来に勤務する看護師（30名程度）を対象に、パイロットスタディを行う。その後、看護師300名程度を対象に本調査を行う予定である。
上記の調査が終了しチェック表作成が完成した後、本来の本研究課題に取り組む予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
【理由】当初の計画では、平成30年度に共分散分析ソフトウェアAMOSを購入する予定であったが、研究に遅れが生じたため購入が間に合わなかった。そのため、予算を執行することができなかった。
【使用計画】遅れている平成30年度分の研究計画については、次年度、その研究を行う前段階としての研究（「精神科の理解度チェックリスト」の作成）を先に行う必要がある。そのチェックリスト作成に必要なアンケート用紙の印刷代・配送料等が必要となり、また、その分析に必要な統計ソフト（SPSS）、さらにその後に予定している平成30年度分の本研究の調査・分析に必要なAMOSを購入する予定にしている。
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