研究課題/領域番号 |
17K12504
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
松岡 純子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (40375621)
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研究分担者 |
丸本 典子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (00336843)
吉原 未佳 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助手 (10765100) [辞退]
眞浦 有希 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (40803135)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地域精神看護 / 文化的感受性 / リカバリー / 看護援助モデル |
研究実績の概要 |
2018年度は、「文化的感受性を備えたリカバリー志向の地域精神看護援助モデル」の活用を支える研修プログラム及び記録用紙の修正と、研修プレテストの二つを実施した。 まず、2017年度に開発した研修プログラムと記録用紙について、精神科訪問看護の経験豊富な看護師1名と地域精神看護に関する研究に取り組んだ経験をもつ精神看護学領域の大学教員2名に個別に意見を求めた。具体的には、研修プログラムの流れに沿ってモデルの概要や活用方法、記録用紙について約1時間で説明し、その後専門家からの意見を聞いた。そして、得られた意見に基づいて研修プログラムと記録用紙を修正した。 次に、研修のプレテストを実施した。具体的には、精神科訪問看護の経験が2年未満の看護師3名に研究協力の同意を得て、約1時間の研修に参加してもらった。研修では、スライドと資料を用いて「文化的感受性を備えたリカバリー志向の地域精神看護援助モデル」の開発過程とモデルの全体の構造、構成要素、看護援助指針、援助例のリスト、記録用紙について説明した。研修の様子は、研究協力者の同意を得てビデオに録画した。 その後、3名の協力者に対して、研修プログラム及び記録用紙についてのグループインタビューを実施した。インタビューでは、看護援助モデルを精神科訪問看護の実践で活用する上で、研修の内容は十分であったか問いかけ、疑問点や改善点について意見を聞いた。インタビューは許可を得て、ICレコーダーに録音した。 ビデオの録画内容は研究者の研修の進め方や研究協力者の反応に焦点を当てて研究者3名で視聴し、研修の進め方や説明の仕方の改善点を確認した。インタビューの内容は、これから逐語録に起こし、分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は、2017年度に実施予定であった、専門家の意見に基づいて研修プログラムと記録用紙を修正することをまず実施した。その後、研修プレテストの実施に向けて、研究協力者を募り、同意を確認したが、時間がかかってしまった。プレテストの日程が3月末となったために、年度内にインタビューの分析と研修プログラムの修正ができなかった。 以上の状況から、計画していた進度よりもやや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
まず、研修プレテスト後のインタビューを分析し、結果に基づいて早急に研修プログラムと記録用紙の修正を終える予定である。修正と同時に、「文化的感受性を備えたリカバリー志向の地域精神看護援助モデル」を精神科訪問看護の実践において6カ月間活用してもらうための研究協力者を募る準備を進めることで、研究の遅れを取り戻したいと考える。 そして、看護援助モデルの活用をしてもらう研究協力者約10名への研修は一度に行うのではなく、協力者の都合に合わせて調整することで、早期に実施できるようにする。 また、活用期間中の研修および、活用期間後のインタビューは、研究者が分担して協力者と調整し、早期に実施できるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研修プレテストの実施が年度末となったため、インタビューの逐語録のテープ起こし費用が次年度の支出となった。そして、研修プレテストの協力者が近隣の施設に勤務する看護師であったことや研修のための部屋を施設で用意していただいたことから、協力依頼・打ち合わせ・研修にうかがうための交通費、施設使用費などの支出が必要なくなった。また、データ分析や資料作成、論文作成に必要となるPC購入が年度内に間に合わず、2019年度に購入することとなった。これらのことから次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、既に実施した研修プレテストのテープ起こし、PC購入、次年度のモデルに基づいた実践の研究協力者を広く募るための研究協力依頼にかかる交通費予備費とし、研究分担者と連携して計画的に使用していく予定である。
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