研究課題/領域番号 |
17K12504
|
研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
松岡 純子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40375621)
|
研究分担者 |
丸本 典子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (00336843)
吉原 未佳 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助手 (10765100) [辞退]
眞浦 有希 大阪歯科大学, 歯学部, 特任講師 (40803135)
堀川 容岐 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助手 (40963591)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 地域精神看護 / 文化的感受性 / リカバリー / 看護援助モデル |
研究実績の概要 |
本研究は、「文化的感受性を備えたリカバリー志向の地域精神看護援助モデル」の実践を支える記録用紙及び 研修プログラムを開発し、そして本モデルに基づいた看護実践の効果を評価することを目的とする。 本モデルの実践のための小冊子と研修プログラムを開発した。精神科訪問看護師7名に研修プログラムを実施し、小冊子を活用しながらそれぞれ1名の訪問看護利用者に4カ月間、本モデルに基づいた実践をしてもらった。実践期間後に看護師に半構成的インタビューを行い、インタビューデータを質的帰納的に分析した。看護師の語りは、<モデルへの賛同>、<自己の価値観や傾向への気づき>、<これまでの価値観との葛藤>、<異なる価値の統合>、<利用者への看護実践の工夫と変化>、<利用者を支える人との連携への取り組み>、<利用者や利用者を支える人との相互作用によるポジティブな感情>の7つのカテゴリーで表された。 <モデルへの賛同>、<自己の価値観や傾向への気づき>、<これまでの価値観との葛藤>、<異なる価値の統合>は相互に影響し合う関係であり、【看護師の内面で起こる変化】を示していた。そして、<利用者への看護実践の工夫と変化>、<利用者を支える人との連携への取り組み>、<利用者や利用者を支える人との相互作用によるポジティブな感情>は相互に影響し合う関係であり、【利用者や利用者を支える人との相互作用】を表していた。 利用者へのインタビューはアンケートに変更となった。利用者は希望や強みを重視した支援を受けていると答えたが、活用期間に看護師の支援の変化があったとしたのは1名であった。 4カ月間のモデル活用では、利用者は自身の変化や支援の変化を感じないことが多かったが、看護師は自身の価値観に目を向け、精神医療文化の影響を確認し、リカバリー志向の実践に安定して取り組み、利用者や利用者を支える人との相互作用からエンパワメントされていた。
|