研究課題/領域番号 |
17K12505
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
片平 伸子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (10381675)
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研究分担者 |
丸尾 智実 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (70438240)
小川 妙子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (80320711)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護小規模多機能型居宅介護 / 看護 |
研究実績の概要 |
本研究は、看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)における看護の特性、効果、課題を明らかにし、看多機の普及や看多機における効果的な看護提供を促進する方策を検討することを目的とする。 1年目にあたる平成29年度はA県内の2施設の協力を得てヒヤリングおよび施設内見学を行った。その結果,看多機の看護の特徴としては施設看護と訪問看護のどちらも行わなければならず、どちらもタイムリーに動く必要があること、紹介は病院からが多いこと、看多機の需要があっても在宅の施設であるため、家で看られない方は利用ができないこと等が聞かれた。利点としては、入院によって要介護度が上がりこれまでの生活が困難となった方でも在宅中心の生活が実現できること、看護師が兆候をとらえて早めに対処するので不要な入院や通院の回数を減らせること、利用者の病状が不安定な時は頻回に訪問できること等があった。課題としては施設看護と訪問看護の両立が難しいこと、他職種との連携が困難であること、職員や利用者の確保が困難であること等があげられた。 また、看多機の事例報告の文献を収集し、看多機のサービスの強みと課題の記述を抽出、カテゴリ化した。強みとしては【柔軟で切れ目ない利用者・家族支援】、【看取りを含めた医療ニーズの高い利用者のケア】、【円滑な在宅移行支援に有効】などがあり、課題としては【多様なニーズへの対応困難】、【低所得者や福祉用具の利用者の経済的負担】、【事業所内外の他職種との連携の不充分さ】等があり、医療ニーズの高い利用者や在宅移行期の支援において看多機のサービスが有効と推察された。 さらに、上記のヒヤリングと文献調査の結果を踏まえて看護師の活動の実態、看護の効果や課題、運営管理上の利点や課題に関するインタビューガイドを作成し、看多機の管理者を対象とした面接調査に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度に予定していたヒヤリングと文献調査を実施し、文献調査については論文としてまとめ、学会誌に投稿した。これらに加えて2年目に予定していた質的調査についても今年度中に着手することができたため、当初の計画以上に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き、平成30年度は看多機における看護師の活動に関する面接調査を実施する。施設数が少ないため、介護サービス情報公表システム(厚生労働省)に掲載されている関西圏の全施設に電話等で研究の趣旨を説明して依頼する。施設管理者に検討いただいた上で施設のご都合の良い日時に研究者が赴いて面接調査を行う。面接は1時間程度1回のみで行い、面接対象者の負担が大きくならないようにし、その旨を依頼の際に伝える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したが、想定していたよりも文献数が少なかったこと、学会参加が少なかったこと等により、当初の見込み額より執行額が少なくなった。研究計画自体は予定より早く進んでおり、2年目に前年度の研究費を含めて、面接調査にかかわる費用、研究成果発表や最新の関連研究についての情報収集等のための学会参加にかかわる費用等にあてて執行する予定である。
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