研究課題/領域番号 |
17K12508
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研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
鈴木 千絵子 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (30563796)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 在宅看護 / 高齢者看護 / 家族看護 |
研究実績の概要 |
【在宅死を迎える患者を支援するために必要な看護能力に関する研究】において訪問看護師による在宅死を可能にする看護支援とは何か,人を看取るための看護のあるべき姿を明らかにするために質的研究と量的研究を通して実証的に明らかにしたいと考えた。 H30年度,「在宅での看取り看護における現状と課題 ―家族と看護師のインタビュー調査から― 」に取り組んだ。訪問看護師7名と看取った家族6名のインタビューを行った。 家族へのインタビュー結果を質的帰納的に分析した結果,訪問看護師に感じる良い点として「客観的な立場で環境の調整と指導」「迅速な対応」など6カテゴリー、悪い点として「言い方や態度」「技術力」など5カテゴリーが抽出された。これらの結果は2019年2月バンコクで開催されたThe 4th International Conference of Prevention and Management on Chronic Conditions の国際会議にてFamily Opinions about Visiting Nurses that Care for the Elderly - from interviews with the patient’s families- として発表した。現在、訪問看護師のインタビューを分析し学会にて発表予定。またこれらの結果を統合し訪問看護師による在宅死を可能にする看護支援について必要な能力項目を作成する予定。その後、項目選択およびパイロットスタディ等を行う。尺度作成は来年度になる見通しとなり、研究としては予定より約1年遅れている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初平成29年度に行う予定としていた対象者のインタビューを平成30年度に行うことが出来た。在宅看護を受けた側として家族からのインタビュー結果をまとめ、ある程度の成果を得ることができた。次は在宅看護を提供した側のインタビューを分析し発表すること、またこれらの質的研究を統合したものを投稿したいと考えている。 第一段階である質的研究の成果ををもって、第二段階目の量的調査を行う予定である。項目選択は特に丁寧に検討したいため、時間を要している。質的研究結果から丁寧に項目作成することはもちろん、これまでの研究成果などからも新たな項目について検討し追加する必要がある。そのため、代表研究者だけでなく、現場の訪問看護に携わっている方々からの意見も聴取し精察したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
第一段階である質的研究の成果が確認できたことから、次の第二段階である量的研究に移る予定である。そのための調査票作成はなるべく丁寧に行い、それから対象施設および対象者の決定、研究方法、倫理的課題、など、秩序立って行いたいと考えている。 本研究の最終目標は、訪問看護師による在宅死を可能にする看護支援とは何か、人を看取るための看護のあるべき姿を明らかにすることであり、それを可能とする尺度を開発することである。なるべく多くのデータと有意義な項目を集めるための工夫も必要であるため、看護職のネットワークも駆使したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
第一段階である質的研究が1年遅れたために、使用する予定に差が生じている。 第二段階である量的研究に使用する、分析ソフトおよびその使用料、調査票の印刷費や配布するための郵送料、入力アルバイト等を支払う必要が出てくる。
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