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2017 年度 実施状況報告書

統合失調症入院患者の視力が影響を及ぼす事象を検証する

研究課題

研究課題/領域番号 17K12509
研究機関関西福祉大学

研究代表者

藤原 光志  関西福祉大学, 看護学部, 講師 (70792331)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード統合失調症 / 視力 / 認知機能 / QOL / 精神状態
研究実績の概要

本研究は「統合失調症入院患者の視力が影響を及ぼす事象を検証する」ことを目的とする。研究計画1として「日本の精神病院における視力測定およびアイケアの現状調査」を計画していたが、それと同時進行して研究計画2のパイロットスタディを実施した。統合失調症入院患者に21名を対象に、PANSS,MMSE, NEI VFQ-25(視力に関連したQOL) 日本語版, 自動視力計 NV-350(NIDEK)を用いた視力測定,オートレフケラトメーターARK-1(NIDEK)にてSE値を測定した。視力はdecimal値をlogMAR 値に変換し、SE値とともに両眼の平均値を用いた。
精神疾患を有しない者において、視力が認知機能・QOLに影響を与えることは明らかとなっているが、パイロットスタディの結果では、logMAR 値・SE値ともにPANSS,MMSE, NEI VFQ-25との相関は見られなかった。今回対象とした統合失調症入院患者21名の入院期間は、mean=3239day, S.D.= 3522dayであった。SE値がー0.5Dを超える近視の者は14名であり、その内、眼科に受診していない期間が5年以上の者は86%であった。超長期入院者が多く、病院外に単独で外出することも少ない者がほとんどであった。長期入院者にとって病院は馴れ親しんだ場所であり、医療スタッフの手助けも十分に得られるため、日常生活に困ることは少なく、そのことがVFQ-25の測定値に影響を与えていると考えられる。
また、認知機能に関して、視機能の影響を明らかにするためには、統合失調症患者の認知機能をより詳細に測定する必要がある。この結果を基に、測定内容・方法・用具を再検討し本調査を実施する。
研究計画1に関しては調査内容について検討し、質問紙を作成した段階であるが、研究計画1の必要性に関して再検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

パイロットスタディが終了し、得られた結果を基に測定する内容・方法・用具の調整および選択が行えており、次年度より本調査が行える状況であるが、同時進行している「日本の精神科病院における視力測定およびアイケアの現調査」に関して質問紙を作成しプレテストを実施できる状態にはあるが、この調査の必要性に関して再検討している状況にある。

今後の研究の推進方策

研究対象者数を増やし、本調査を実施する。パイロットスタディで得られた結果から、研究対象者となる統合失調症入院患者の入院期間を調整し、認知機能測定用具としてBACSを使用する。また、研究計画1に関して実施の有無を再検討する。

次年度使用額が生じた理由

自動視力計、オートレフラクトメーター購入に使用する。

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公開日: 2018-12-17  

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