研究課題/領域番号 |
17K12522
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
石原 多佳子 岐阜大学, 医学部, 教授 (00331596)
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研究分担者 |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
池上 由美子 岐阜大学, 医学部, 助教 (30760293)
纐纈 朋弥 岐阜大学, 医学部, 准教授 (40457114)
田中 健太郎 岐阜大学, 医学部, 助教 (50755832)
小林 和成 岐阜大学, 医学部, 准教授 (70341815)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者虐待 / 医療機関 / ハイリスク家族 / ハイリスクアセスメント |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の入院期間内に高齢者虐待のハイリスク家族をスクリーニングできるハイリスアセスメント表を作成する事を目的としている。 29年度は(1)高齢者虐待事例や虐待の回避をした事例について、入院時期から在宅療養中の経過を追って高齢者や養護者を中心に家族を単位とした事例の収集と分析する(事例検討会や文献から)。 (2)退院支援にかかわる病棟看護師や退院調整看護師及びケースワーカー等や、緊急搬送時に係る看護師や医師が、「虐待を予期した経験、その判断根拠と対応について」文献検討を行い分析する。 救急外来や入院中について高齢者虐待を疑う事例は身体的な虐待やネグレクトが多い現状であったが、高齢社虐待に関する医療従事者の認識が薄いこと、重要視されていないことが報告されている。さらにセルフネグレクトに対する判断の難しさなど多くの課題が見出された。また、初期介入を早期に行い虐待予防するためには入院中に潜在的な虐待やハイリスク家族に関わることが必要であるがそれらの文献は非常に少ない現状であった。海外においては医療関係者の経験だけに頼るのではなくアセスメントツールの開発や教育などが進んでいる。一方虐待の生理的メカニズムに関する研究もなされておりそれらの点からも家族や介護者のアセスメントをするうえで参考になると考えている。また児童虐待については本研究の目的とするところは先行しているので今後さらに参考にする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高齢者虐待事例や虐待が疑われた事例について、虐待が起きている状況、虐待者の心理的状況、家族の状況、過去からの家族関係、引き金になった出来事等文献から検討した。さらに、高齢者虐待に加えて、児童虐待、障害者虐待、DVについて、医療機関で早期発見やハイリスク事例に対する対応や、スクリーニングの現状、自治体の取り組み、医療機関の取り組みなど文献検討を行った。それらを基に、救急外来で搬送されてくる高齢者、入院中の高齢者について、ハイリスク家族を見極めるためのリスクアセスメントの視点や項目を抽出した。
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今後の研究の推進方策 |
29年度に文献から抽出したリスクアセスメントの視点や項目を、検証しより精選するために、退院支援にかかわる病棟看護師や退院調整看護師及びケースワーカー等や、緊急搬送時にかかわる看護師や医師にグループインタビューを実施する予定である。これらをもとに再度リスクアセスメント表を作成し、これらについて信頼性妥当性の検討を検証する為に全国調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度は主に文献からハイリスクアセスメント項目を抽出し、グループインタビューまで実施予定だったので、個人情報保護のために研究専用のノートパソコンを購入予定であった。しかしグループインタビューまで計画が進まなかったのでパソコン購入はしなかった。 30年度はグループインタビューのテープ起こしや、ハイリスクアセスメント項目の信頼性や妥当性の検討等で全国調査を予定しているので、パソコン及び調査に関する費用、またアルバイト雇用に繰り越し分と合わせて使用予定である。
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