研究課題/領域番号 |
17K12527
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
熊谷 有記 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10382433)
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研究分担者 |
室屋 和子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50299640)
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 教授 (90382431)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看取りのパンフレット / 在宅ケア / 生活の質 |
研究実績の概要 |
終末期患者と家族の生活の質を高めるためには、患者と家族への死の準備教育が不可欠である。近年、死に対する準備教育の教材の一つとして、看取りのパンフレットが開発されている。看取りのパンフレットを有効に活用することで、患者と家族の生活の質を高めるケアの提供が可能になると考える。本研究では、看取りのパンフレットの具体的で効果的な活用法を明らかにし、看取りのパンフレットを用いた終末期在宅ケアモデルを開発することを目的とする。 2021年度には、看取りのパンフレットの効果的な使用方法を明らかにするために、内諾を得られたインタビュー調査対象者と、インタビューの日程を調整していたが、新型コロナウイルス感染状況により日程が合わずに終了した。 そこで、2021年度はこれまでに実施した訪問看護ステーションの管理者2,000名に対する質問紙調査の自由記述内容を整理し、次のような結果を得た。①看取りのパンフレットの利点として、家族では、知りたい時に読める、繰り返し読み返すことができる、落ち着いて読むことができる、患者の状況が理解できる、安心につながる、家族の覚悟を促す、患者の変化に落ち着いて対応できるが挙げられた。一方、スタッフでは、統一したケアを提供できる、スタッフ教育に有用である、スタッフの不安を軽減できるが挙げられた。②使用するうえでの留意点として、渡す時期、渡し方、家族の心理状況、患者と家族の個別性を踏まえた内容、一般の人でも分かりやすい内容、医師との連携、看護師の姿勢が挙げられた。③使用しない理由として、口頭の説明だけで問題はないこと、個別性への対応の困難さがが挙げられた。また、病院で既に使用されていることや十分に説明されているとの理由もあれば、病院で十分説明されていないためという理由もあった。④その他の意見として、医師から説明することや、市民に啓蒙する必要性を望む意見が挙げられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大予防のために、質的研究に対して内諾が得られた対象者への対面式インタビューを実施できなかったことにより、計画遂行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染対策の状況を踏まえて、インタビュー調査への実施時期および実施方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に実施する予定であったインタビューを実施するため、インタビュー調査に関する旅費、データ入力などに研究費を使用する。
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