研究課題/領域番号 |
17K12546
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
田中 美加 北里大学, 看護学部, 教授 (70412765)
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研究分担者 |
武智 小百合 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (00794843)
吉田 直子 北里大学, 看護学部, 講師 (30317086)
田中 克俊 北里大学, 医療系研究科, 教授 (30365176)
池内 眞弓 東海大学, 健康学部, 准教授 (70710672)
檪 直美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (80331883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 生活習慣 / 保健指導 / 簡易型認知行動療法 / 無作為割付比較試験 |
研究実績の概要 |
2020年度の計画は、「データのまとめと論文の作成、保健指導マニュアルとホームページの作成」であった。新型コロナウィルスの拡大により、予定していた研究時間を確保が困難になり、研究の進行に遅れが生じた。しかし、データの解析は終了し、2つの学会発表を行った。また、ホームページは現在作成中であり、次年度完成予定である。 データ解析では、以下のような結果が得られた。 簡易型肥満認知行動療法(CBT-OB)の効果を評価することを目的に、特定保健指導の動機付けおよび積極的支援の該当者を対象としたランダム化比較試験を実施した。介入群には簡易型CBT-OB(2回の個人面接と3回のメール)を企業所属の保健師が実施た。簡易型CBT-OBは協同的関係の構築、認知再構成(自己動機づけ発言の引き出しと食への依存に対する認知)、行動目標の策定、行動計画(行動療法的な視点で作成した具体的な行動計画)、セルフモニタリングから構成した。対照群には、食事に関するパンフレットを配布した。主要アウトカムは介入前後の体重と腹囲の変化量、副次アウトカムは介入前後の食事スコア、飲酒量、運動量とし、フォローアップ期間は3か月間とした。 その結果、対象者289名の年齢は51.6 ± 6.9歳、94%は男性であった。介入群143名と対照群146名において、ベースラインの基本属性(年齢、婚姻と世帯構成、業務内容)および主要アウトカム(体重と腹囲)に違いはなかった。介入の完遂率は95.8%であった。介入群の体重のベースラインからの平均変化量(-1.06kg)は、対照群(-0.05kg)と比較して有意に大きく、両群の変化量の差は1.02kg(95%CI: 0.53-1.71)であった。腹囲も、介入群で有意に改善し、両群の変化量の差は1.35cm(95%CI: 0.52-2.19)であった。副次アウトカムでは、食事スコアが有意に改善した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大のため、研究時間確保が十分にできず、年度内に実施する予定であった論文作成とホームページ作成が終了しなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長をした2021年度は、ホームページ作成と論文作成を目標とする。ホームページの作成および公開は、7月までに実施することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
ホームページ及び論文作成が遅れたため、研究期間の延長を申請し認められた。そのため、これらにかかわる費用(ホームページ作成及び管理費用、英文校閲、投稿料など)を次年度に持ちこすことになった。
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