研究課題/領域番号 |
17K12546
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
田中 美加 北里大学, 看護学部, 教授 (70412765)
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研究分担者 |
武智 小百合 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (00794843)
吉田 直子 北里大学, 看護学部, 講師 (30317086)
田中 克俊 北里大学, 医療系研究科, 教授 (30365176)
池内 眞弓 東海大学, 健康学部, 准教授 (70710672)
檪 直美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (80331883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 生活習慣改善 / 保健指導 / 労働者 |
研究実績の概要 |
【目的】認知行動療法(CBT)は、最近では健康改善のための認知や行動の変容にも応用されている。本研究では、特定保健指導においても実施可能な簡易型肥満認知行動療法(CBT-OB)の健康への関心および健康行動変容に対する効果をランダム化比較試験で評価した。 【方法】対象者は企業従業員で、介入群には簡易型CBT-OBを、訓練を受けた保健師が2回の個人面接と3回のメールで実施した。簡易型CBT-OBは協働的関係の構築、認知再構成(自己動機づけ発言の引き出しと食への依存の認知)、行動目標の策定、行動計画(具体的な行動計画)、セルフモニタリングから構成した。非介入群には、食事に関するパンフレットを配布した。主要アウトカムは健康への関心、食事などの健康行動スコアの変化量とし、副次アウトカムは体重と腹囲の変化量とした。フォローアップ期間は3か月間とした。 【結果】介入群143名と対照群146名において、ベースラインの基本属性に違いはなかった。介入の完遂率は95.8%であった。介入群の健康への関心スコアのベースラインからの平均変化量(+0.72点)は、対照群(-0.07点)で有意に高く、両群の変化量の差は0.79点(95%CI: 0.38-1.19)であった。健康行動では食事スコアが、介入群で有意に改善し、両群の変化量の差は2.62点(95%CI: 1.50-3.75)であった。副次アウトカムでは、体重、腹囲ともに有意に減少した。 【考察】簡易型CBT-OBは、健康への関心を高め、食行動を改善させた。健康への関心が高まることで食行動だけでなく多様な健康行動につながる可能性があり、長期的な健康レベルの向上効果が期待される。 【最終年度の成果】最終年度には研究成果の論文作成と学会発表に取り組み、現在、投稿原稿の最終チェックと学会抄録の登録を行っている。
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