研究課題/領域番号 |
17K12554
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研究機関 | 修文大学 |
研究代表者 |
飯盛 茂子 修文大学, 看護学部, 准教授 (90310599)
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研究分担者 |
粕谷 恵美子 修文大学, 看護学部, 准教授 (20522775)
甲村 朋子 人間環境大学, 看護学部, 講師 (70342136)
柴田 益江 修文大学, 看護学部, 准教授 (60390043) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 防災意識 / 防災支援 / 認知症高齢者 / 台湾 / 質問紙調査 / インタビュー調査 / 防災意識尺度 |
研究実績の概要 |
認知症対応型共同生活介護における防災支援プログラム作成に向け、防災意識に関する文献検討をすすめた。防災意識に関する文献でも本来の意識ではなく、準備状態の確認につながるものが多い中、防災科学研究所から出された防災意識尺度β版 ver.20170227は我々の目的とする意識調査に近く、エビデンスがあることから使用許可を得て、今回の調査に活用することとなった。この意識調査と防災準備状態を確認するために被災経験の少ないA地域に質問紙を550郵送し、145回収した。 また、30年度予定の高齢化・災害様相の似ている近隣国の一つ、台湾における調査を終了した。調査には台湾における介護保険事業や認知症研修プログラムに関わっている方にコーディネイトいただき、調査施設の選抜・通訳をしていただき、現地の方に質問紙の翻訳等に協力いただいて管理者インタビューと防災意識調査を終了した。 現在、国内質問紙調査の防災意識の部分の分析を行っており、これまでの防災意識尺β版 ver.20170227を活用した報告と比較検討している。今回の返却された事業所管理者のデータにおいては、総合点も9%ほど高く、どのスコアにおいてもやや高めであり、災害意識は高いと言える。あるスコアにおいては熊本地震被災者のパーセンタイル値に近く、危機感を持ち災害イメージをつかめている。また、管理者であることからか共助の意識も高い。被災経験がないことから防災意識が低いと考えていたが、関心度が高かった。 台湾の調査では、現在、日本の認知症対応型共同生活介護に対応する施設は7つであった。そのうちの3地域3施設でインタビュー調査と意識調査をした結果、台湾の消防訓練基準に到達しているという自負からか危機感や不安感は低く、しかしながら共助の意識は高い傾向がみられた。今後、これらの結果を含め、防災準備内容を分析し、防災支援プログラムの内容を精選していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度、実施予定の文献検討、国内対象管理者への質問紙調査、調査結果の学会報告などに関しては予定通り進んでいる。 プログラム素案に関しては現在、国内質問紙調査結果の準備状況などを分析しているが、素案までに至っていないため、この点は少し遅れいている。 しかしながら、30年度予定の海外調査の2カ国の内、1カ国は調査も総て終わった。また、もう1カ国の準備は進んでおり、調査施設調査や質問紙の翻訳、通訳者との調整も終了し、調査の実施のみとなっている。この点では予定より進んで実施できていることから、全体的には順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1.海外調査インタビューに関しては29年度にインタビューガイドの作成、台湾調査を終了し、30度は韓国調査を残すところとなった。現地調整も済んでおり、調査の実施に取り掛かることとし、順調に経過している。 2.30年度の研究実施計画においては防災プログラムの配布を予定している。そのためには29年度実施した調査データの分析をしつつ、プログラム内容の精選が必要である。分析が遅延しているので、研究者間の予定を調整し、夏以降にはプログラム素案に取り掛かりたい。 3.調査内容の報告や学会発表準備については認知症対応型共同生活介護の管理者・職員の集まる場で報告をさせていただくよう連絡済みである。また、学会発表に関しては抄録提出を3本しており、今後発表、投稿と進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度において次年度予定の海外調査が前倒しで実施できることになり、途中で前倒し申請を実施した。しかしながら、予定していた分担研究者、1名が同行できなかったため予定者の旅費が繰越となる。また、研究補助者に結果分析等の協力依頼をする予定が分析ソフト購入と研究協力者への使用に変更となった。分析のための購入ソフトの支払を前倒し金より予定していたが、海外調査において現地交通費等に使用したことからソフト代を分割としたため残金が生じた。 次年度には分割したソフト代金と海外調査経費、国内発表経費、防災支援プログラムの印刷等による使用がメインと考える。不足も考えられるが、各個人の経費にて補い今年度の計画をスムーズに実施したい。
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