研究課題/領域番号 |
17K12555
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
月野木 ルミ 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (30634464)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 特定健康診査 / 被扶養者 / 受診率向上 / 手指採血 |
研究実績の概要 |
2018年に行った調査の解析を行い、学会発表(日本公衆衛生学会、日本疫学会、日本看護科学学会)3件と厚生の指標(一般財団法人厚生労働統計協会月刊誌第67巻第5号)に論文採択を行った。主要な解析結果として、被扶養者は、被保険者と比べて「ワンコイン(500円)」「がん検診とセット」「健診項目が多い」「自宅でできる健診」の要望が有意に多かった。さらに、健診・がん検診未受診の被扶養者でみると、「待ち時間が短い」「子連れ可」「ワンコイン(500円)」「がん検診とセット」であった。理想の健診所要時間は、被保険者被扶養者共に「1時間」であることが明らかとなった。この結果の社会還元として、関東A区事業者担当者ならびに子育て団体主催者と子育て世代女性に対する特定健診受診向上を目指した啓発方法についての話し合いを行った。 本研究で用いた手指採血による血液検査は手軽で、子育てサロン・イベントで実施すると、多数の参加者が殺到し行列ができるほどであった。その理由として、サロンやイベント参加の合間に短時間で無料で実施できたことが大きいと推察した。しかし、2018年度調査結果を見ると当初の予想よりも自宅で手指採血による血液検査へのこニーズは低いことが分かった。今後は本研究を踏まえて、受診促進・阻害要因について改めて検討する必要がある。 2019年度は、子育て女性への特定健診受診啓発活動に関する新たな研究展開を目指して、前年度調査で関係性を構築した関東A区で開催された子育てメッセにおいて、子育て女性の特定健診、血圧、脂質、血糖の認知度、ソーシャルキャピタル等に関する調査を実施し、集計作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの調査を実施し、その成果を学会論文(日本公衆衛生学会、日本疫学会、日本看護科学学会)と論文掲載(厚生の指標第67巻第5号)にて発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は学会発表と論文執筆を中心に進める。現在は、2019年調査について日本公衆衛生学会と日本看護科学学会という国内学会発表と論文執筆作業を進めている。国際学会は、COVID-19の世界的大流行を鑑みつつ、国際疫学会(メルボルン)に演題登録中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年調査結果について、学会発表と論文執筆を行うための各費用が必要である。2020年3月に米国心臓病学会に参加予定であったが、COVID-19の世界的大流行を受けて中止となった。そのため、演題登録を行っている国際疫学会(メルボルン)での発表を予定している。 また、本研究課題で得られた研究成果を用いて、行政担当者や研究者向けの社会実装のためのチェックシートを作成予定している。
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