研究課題/領域番号 |
17K12558
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
池田 佐知子 福岡大学, 医学部, 准教授 (70640275)
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研究分担者 |
小柳 康子 福岡大学, 医学部, 准教授 (70353175)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 里親支援 / 母子健康手帳 / 健康医療情報 / 共有 |
研究実績の概要 |
里親は養育の切れ目を持たざるを得ない中途養育者であり、その切れ目を補うためには、実親や委託前の児の情報に基づき地域の母子保健サービスを利用することが、よりよい養育実現のために不可欠である。そこで、里子が委託される際に既存の母子健康手帳を核として福祉保健医療分野が連携し、実親・里子に関する保健・医療情報の充実と共有を図るためのシステムを検討し、切れ目を最小限にすることにより地域での里親支援強化を目指す研究である。 平成29年度は研究初年度であり、児童が児童相談所に保護され里親に委託されるまでの間に、児童の母子健康手帳の流れや取り扱い及び実親や児童に関する健康情報収集、さらには里親市町村の保健事業との連携について明らかにすることとし、基礎調査を実施した。対象として、岩手県、千葉県、岡山県、福岡市、佐賀県の5か所の児童相談所の里親担当職員及び、東京都、福岡市、佐賀県の里親4名、福岡県内2名の養護教諭にインタビュー調査を行った。 平成30年度は、これらの実績をもとに、全国の児童相談所に向けての選択形式のアンケート調査票を作成する。文献については引き続き検索・収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた、児童相談所職員、里親及び養護教諭へのインタビュー調査が順調に実施できた。米国での調査研究については、次年度5月に里親とともに実施することとしており、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
児童相談所職員、里親及び養護教諭のインタビュー調査から得られた結果をもとに、里子・実親の保健情報の聴取及び提供の具体的な共有状況についての、児童相談所に対するアンケート調査票を作成する。その後、インタビュー協力者にプレテストを実施し、ブラッシュアップしたのちに、全国210の児童相談所に向けて調査を実施する。調査に先立ち、全国児童相談所所長会の会員への協力の呼びかけと依頼を行い、回収率のアップに努める。回収後は分析を行い、研究発表に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、米国シアトルにおける里親支援システムの視察研修を研究初年度(2017)していたが、受け入れ側の都合により、次年度(2018)に実施することとなった。また、初年度に予定していた質的分析ソフトの購入について、研究代表者が大学を異動することとなり、年度末の購入が困難となり次年度に繰り越すこととなった。
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