研究課題/領域番号 |
17K12560
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
井上 高博 活水女子大学, 看護学部, 講師 (10382277)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 要支援高齢女性 / 人付き合い / 都市部 / 農村部 |
研究実績の概要 |
当該年度の研究予定では、昨年度の離島在住の要支援高齢者(8名程度)へのソーシャル・キャピタルに関連する日常生活活動の聞き取り調査を都市部ならびに農村部にも拡大し、実施した。2地域の調査対象者数は、都市部で女性2名、農村部で女性3名であった。全て75歳以上後期高齢者のみであった。調査内容は、日常生活活動を含めた他者との交流に関することについて、1人当たり30~60分程度、日常の生活活動のほかに、人付き合いで日ごろから思っていることに関する情報を収集した。調査結果の概要として、都市部では、身近な付き合いと地域の付き合いを実践していた一方、若い世代との付き合いの少なさと難しさを感じていた。農村部では、加齢に伴う外出の減少を感じながらも家族や旧知の人々との親密な付き合いを実践していたことが明らかとなった。 しかし、当初の研究計画申請書の予定としては、2年前の調査対象者(要支援高齢者:離島104名・都市部153名・農村部124名)に対して、ソーシャル・キャピタル(他者との交流頻度など)に関する質問紙調査を行う計画であった。その質問紙調査については、本年度内に終えることができずに現在も本研究に着手している状況である。 今後の予定として、要支援高齢者に対してソーシャル・キャピタルに関する質問紙調査(追跡調査)を実施した後、統計解析を行い、論文化ならびに結果報告を研究協力地域ならびに健康増進の活動実践の場などにも広く公表していくことが必要だと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
都市部ならびに農村部に住む要支援高齢者についても、ソーシャル・キャピタルに関連する日常生活活動を聞き取り調査で明らかにすることとした。都市部および農村部に住む要支援高齢者への聞き取り調査の結果は、各地域の特性を活かした介護予防ケアシステムのより良い構築につながると判断し、実践した。その影響により、当初予定していた追跡調査に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力地域である都市部・農村部・離島部にある各地域包括支援センターに研究協力を正式に依頼している。今後は、都市部および農村部の調査データ解析を行う予定である。本研究協力者である各地域包括支援センター専門職者は、本研究の結果を介護予防事業にも十分に活用できると期待されているため、データ分析を可能な限り早く行い、各地域における要支援高齢者の健康状態のほか、他者との交流および多世代間交流の特徴などを提示し、地域特性を考慮した介護予防事業の推進につなげていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究計画では、2年前の調査対象者(要支援高齢者:離島104名・都市部153名・農村部124名)に対して、ソーシャル・キャピタル(他者との交流頻度など)に関する質問紙調査(追跡調査)を行う予定であった。しかし、当初予定していなかった要支援高齢者への聞き取り調査を行った影響から、当初の研究計画に遅れが生じた。本研究に現在着手している状況である。
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