• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

養護教諭の臨床判断能力育成のためのフィジカルアセスメント教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K12564
研究機関弘前大学

研究代表者

葛西 敦子  弘前大学, 教育学部, 教授 (80185735)

研究分担者 佐藤 伸子  熊本大学, 大学院教育学研究科, 講師 (10226946)
山田 玲子  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10322869)
福田 博美  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90299644)
秋月 百合  熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (90349035)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードフィジカルアセスメント / 養護教諭 / 学校看護 / 臨床判断 / 養護教諭養成教育
研究実績の概要

養護教諭には,臨床判断の基盤となるフィジカルアセスメント能力の知識,技術の修得は必須である。本研究は,養護教諭養成教育における臨床判断能力育成のためのフィジカルアセスメント教育プログラムを開発することである。
養護教諭の臨床判断能力の測定用具の開発を試みた。CiNii Articles にて,養護教諭の臨床判断に関する文献(キーワード「養護教諭」and「判断」)を検索し81件が抽出された。そのうち養護教諭の判断について記述のある論文14件を分析し,養護教諭の判断に及ぼす影響要因を抽出した。さらに,タナーの臨床判断モデルを参考とし「養護教諭の臨床判断に関する項目」を作成した結果,【コミュニケーション・スキル】6項目,【コンテクスト】3項目,【気づき】30項目,【解釈】3項目,【反応】6項目,【省察】10項目の計58項目が抽出された。以上は学会発表をし,論文は紀要に掲載した。
フィジカルアセスメント教育プログラム「食物アレルギーと小児気管支喘息のある子どものフィジカルアセスメントとその対応」を養護教諭養成課程3年次の学校看護学実習で実践した。構成は,実習2週間前(事例説明,事前課題),実習1週間前(事前課題の確認,作戦会議),実習当日のプログラムであった。実習当日は,グループ毎に事例に対してシミュレーションを実践し,その後デブリーフィング,リフレクションシートのまとめをした。事例への対応場面は,教員がチェックシートに基づき,評価した。学生(養護教諭役)4名は体温測定(4名),脈拍測定(3名),血圧測定(4名)はできたが,作戦会議をしたにもかかわらず,4名ともにSpO2測定,呼吸の確認をしていなかった。このことからバイタルサインの観察の課題が明らかとなった。また実習の前後で,臨床判断能力を評価するために,「養護教諭の臨床判断に関する項目」を記入してもらった。今後データを分析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は,「養護教諭の臨床判断能力育成のためのフィジカルアセスメント教育プログラムの開発」である。当初研究計画には挙げてなかったが,「臨床判断に関する測定用具」が必要と考え作成した。A大学養護教諭養成課程3年次の学校看護学実習において,「食物アレルギーと小児気管支喘息」のある子どもの【フィジカルアセスメント教育プログラム】を実践し,臨床判断能力の育成については「臨床判断に関する測定用具」で評価した。B大学養護教諭養成課程3年次の看護学実習において,フィジカルアセスメントの中のバイタルサインの観察に注目し,1日8回の体温と脈拍を測定させ,提出されたレポートを分析した。研究成果は,論文が4編掲載され,学会発表は3演題あった。以上のことから「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

昨年実施した研究を6月22日(土)第66回日本小児保健協会学術集会(東京都江戸川区タワーホール船堀)にて,演題「学校救急処置におけるバイタルサイン観察の活用-養護教諭の臨床判断能力育成への取組み-」で学会発表する。食物アレルギーの事例の教育プログラムは,各研究者大学の養護教諭養成課程学生を対象に,看護学実習等の授業の中で,実践し検証する。臨床判断能力については,昨年作成した「臨床判断に関する測定用具」で評価する。本プログラムは,現職養護教諭に対しても実施する。これらの研究は,最終年度であることから,併せて論文を作成する。また,昨年学会発表した「学生の臨床判断応力育成に向けた体温・脈拍の継続観察の意義」を論文投稿する。研究組織が,弘前大学,北海道教育大学,愛知教育大学,熊本大学と全国に分散していることから,定期的に会議を開催し,最終年度としてこれまでの実践について学会発表や論文作成について協議し,まとめをしていく。

次年度使用額が生じた理由

3月中旬に,研究者会議を東京で予定し,交通費を計上していたが,延期となったため,使用しなかった。変更後の日程は,6月22日(土)に東京にて行う。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 養護教諭の臨床判断に関する測定用具の開発2019

    • 著者名/発表者名
      葛西敦子,福田博美,山田玲子,佐藤伸子,秋月百合,小川真由子
    • 雑誌名

      弘前大学教育学部紀要

      巻: 121 ページ: 157-166

  • [雑誌論文] 養護教諭養成課程における臨床判断能力を育成するシミュレーション教育プログラムの提案と評価2019

    • 著者名/発表者名
      林さえ子,福田博美,小川真由子,藤井紀子,三尾弘子,水野昌子
    • 雑誌名

      愛知教育大学研究報告(教育科学編)

      巻: 68 ページ: 37-44

  • [雑誌論文] 高機能患者シミュレータを用いた教育プログラムの開発 第2報 -養護教諭を対象としたアナフィラキシー対応-2019

    • 著者名/発表者名
      小川真由子,福田博美,藤井紀子,林さえ子,三尾弘子,水野昌子
    • 雑誌名

      鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学,社会科学編

      巻: 2 ページ: 183-195

  • [雑誌論文] 養護教諭養成課程の学生における高機能患者シミュレータを用いた脈拍観察の学習効果-自信の評価からの考察-2018

    • 著者名/発表者名
      小川真由子,福田博美,藤井紀子,林さえ子,永石喜代子,植田ひろみ,水野昌子,三尾弘子
    • 雑誌名

      東海学校保健研究

      巻: 42(2) ページ: 41-48

    • 査読あり
  • [学会発表] 学生の臨床判断能力育成に向けた体温,脈拍の継続観察の意義2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤伸子,福田博美,葛西敦子,山田玲子,秋月百合
    • 学会等名
      日本健康相談活動学会第15回学術集会
  • [学会発表] 高機能患者シミュレータを用いたシミュレーション教育の臨床判断における課題と検討2018

    • 著者名/発表者名
      小川真由子,福田博美,藤井紀子,林さえ子,三尾弘子,水野昌子
    • 学会等名
      第61回東海学校保健学会
  • [学会発表] 養護教諭の臨床判断に関する一考察2018

    • 著者名/発表者名
      葛西敦子,福田博美,山田玲子,佐藤伸子,秋月百合,小川真由子
    • 学会等名
      日本学校保健学会第65回学術集会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi