研究課題/領域番号 |
17K12572
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
斉藤 恵美子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90251230)
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研究分担者 |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
村田 加奈子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (70381465)
神崎 由紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80381713)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者 / 地域包括ケア / 倫理 |
研究実績の概要 |
地域に居住する高齢者とその家族の困難な事象に関する研究は蓄積されつつあるが、地域での事例に関する倫理的な課題に関する研究は数少ない。そこで、今年度は、高齢者とその家族への支援家庭での困難な事象と、支援者への対応を明らかにし、倫理的な課題についての検討の方向性を整理することを目的として、文献と事例集、活動報告などの資料から整理した。医学中央雑誌(キーワードを高齢者、倫理)と、インターネット上にオープンアクセス可能な事例集などを検索した結果、181件の資料を抽出した。これらの文献から、支援が困難な事例の属性、支援が困難な状況、具体的な支援過程、倫理的な課題について整理した。困難な事例としては、認知症(精神疾患、高次脳機能障害など)による行動・判断、終末期、虐待の疑い、家族関係(本人と家族の意見の相違)、近隣関係、本人・家族の受け入れ拒否などが整理された。障害・疾病としては、精神疾患(認知症、高次脳機能障害、統合失調症など)を有する家族の存在、終末期の状態であることの記述が多かった。また、家族・近隣との関係性、拒否などによる関係性の困難さについての記述が多かった。支援過程としては、多職種での連携、調整、ケア会議、他機関等との連携・協力などに関して多く記述されていた。しかし、支援の過程での倫理的な課題や対策についての直接的な説明等はごくわずかであった。これらのことから、困難な事象の支援過程での倫理的な課題についての実態を明らかにする必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
29年度は文献検討を中心に作業を進め、具体的な調査項目を整理したが、調査票の作成までには至らなかった。また、文献検討の結果についてもさらに精選し、整理する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
30年度は、文献検討の結果をより精選し、質問紙調査を実施する予定である。また、文献検討の成果については関連学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度の研究費の使用計画として、より効率的に実施するため、調査票の発送等については委託することとし、調査票発送委託費を計上する予定である。
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