研究課題/領域番号 |
17K12576
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
古田 加代子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00319253)
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研究分担者 |
流石 ゆり子 山梨県立大学, 看護学部, 名誉教授 (70279892)
輿水 めぐみ 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90405225)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 転居高齢者 / 生活適応 / 要介護認定 / 介護予防 |
研究実績の概要 |
本研究は、転居高齢者を身体・心理・社会的側面から数年にわたって追跡し、転居後も自立度を低下させることなく暮らしている高齢者の適応の要因を明らかにすることを目的としている。また転居直後の家庭訪問などの支援が、転居後の適応に及ぼす影響を検討する。 H28年1月から12月までの1年間に、市町村の境界を越えてA県B市に転入した高齢者186名を対象に、質問紙調査を郵送し訪問によって回収した。 回収数は139名(74.7%)であり、有効回答数は135名(全体の72.6%)であった。性別は男性56名(41.5%)、女性は79名(58.5%)であり、平均年齢(±SD)は男性76.5±8.9歳、女性78.4±7.7歳であった。 転入前の居住地については、県内が108名(80.0%)であった。転入前の家族構成は単独世帯64名( 47.4%)、夫婦のみ世帯 31名( 23.0%)であった。転入前の介護認定状況は、認定なし88名(65.2%)、要支援22名(16.2%)、要介護25名(18.5%)であった。転居理由(複数回答可)は「自分の病気や障害などの健康上の不安」52名( 38.5%)、「子どもなどとの同居・近居のため」48名( 35.6%)、「独居や老夫婦での暮らしの不安」40名( 29.6%)の順であった。転居時の主観的健康感については、「とても良い」8名(5.9%)、「まあまあ良い」82名(60.7%)、やや悪い30名(22.2%)、とても悪い(11.1%)であった。基本チェックリストを用いて介護認定を受けていない88名の介護予防リスクの有無を分析したところ、リスクのある者は57名(64.8%)であった。内訳は認知機能低下および抑うつ状態にある者が共に41名( 46.6%)で、およそ半数を占めていた。 転居高齢者には介護および介護予防ニーズの高い高齢者が多く含まれることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
市町村の協力を得て、H29年度上半期に調査の打ち合わせと準備を済ませた。下半期からは非介入群に対して転居直後の状態に関してベースライン調査を行った。介入群に対するベースライン調査はH30年5月から開始予定であり、介入群に対するベースライン調査にやや遅れが生じている。しかし研究期間である4年間にベースライン調査から1年6ヵ月後の追跡調査も終える目処は立っている。研究の進捗はやや遅れているものの問題はないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
介入群に対するベースライン調査にやや遅れが生じたために、H29年度下半期に計画を見直した。その結果研究期間内にベースライン調査から1年6ヵ月後の追跡調査も終える目処は立った。また転居直後の家庭訪問による介入も現在順調に進捗している。H29年度の1年間で調査協力市町村との連携体制もできたので、順調な調査・介入の実施に努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
介入研究に用いる印刷物(市町村の社会資源マップ)の完成がH30年度になったため、未使用額が生じた。H30年度の助成金と合わせて5月に印刷物の支払いを予定している。
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