研究課題/領域番号 |
17K12581
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
中越 利佳 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (70551000)
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研究分担者 |
岡崎 愉加 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50224001)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子宮頸がん / 子宮頸がん検診受診行動 / 行動変容モデル / 検診受診自己効力感 / 子宮頸がん検診受診行動予測モデル |
研究実績の概要 |
子宮頸がん検診受診行動のテーラード啓発プログラムの開発に着手するためには、子宮頸がん検診受診行動が変容するまでに至るプロセスが示された理論やモデルを見つけることが必要とされる。しかしながら、我が国の子宮頸がん検診受診行動を予測できる行動変容モデルに関する研究は散見する程度であり、どの先行研究も受診意図までは明らかにされているが、受診意図から検診受診に至るまでのプロセスは明確化されていない。 そのような行動意図と行動の不一致を埋める理論であるHealth Action Process Approach(HAPA)に着目した。HAPAが子宮頸がん検診受診行動を予測できるモデルであるかの検証を行うために、HAPAを構成する心理的変数である子宮頸がん検診受診行動に特化した「結果予期」、「自己効力感」、「行動計画」の尺度開発を試みた。20-40歳までの女性1288名を対象に質問紙調査を実施し、606名からの回収を得、有効回答された585名を分析対象とした(有効回答率45.4%)。 開発した尺度の構造的側面からみた妥当性を検討するために確認的因子因子分析を行ったところ、開発した3つの尺度のモデル適合度はCFI>0.9,RMSEA<0.1を示し、適合度はおおむね良好であった。Cronbach's α係数は、いずれも0.7以上を示し、信頼性が検証された。各尺度から検診受診意図および検診受診行動への因果関係モデルにおいても、モデル適合度は良好であり、有意なパス係数を認めた。以上のことからHAPAが子宮頸がん検診受診行動を予測できるモデルであることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標は、HAPAが子宮頸がん検診受診行動を予測できる行動変容モデルであるかを明らかにすることであった。HAPAを構成する心理的変数として3つの尺度開発を試み、構成概念妥当性と信頼性を検証でき、HAPAモデルが子宮頸がん検診受診行動を予測できるモデルであると考えられた為、今年度の目標は達成できた。今年度得られた結果は、次年度学会発表を行う予定となっている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、質問紙調査を再度実施し、開発した尺度の検証を行い、HAPAが子宮頸がん検診受診行動を予測できるモデルとして介入研究に活用できるかの検討を行う予定である。 また、今年度得られた知見を論文投稿していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は開発した尺度の検証として縦断調査を予定しており、調査研究費用として充当する予定である。
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