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2018 年度 実施状況報告書

犯罪被害者へのアウトリーチ支援体制モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K12588
研究機関京都光華女子大学

研究代表者

平井 和明  京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (60583820)

研究分担者 岩崎 りほ  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40760286)
齊藤 友子  大分大学, 教育学部, 講師 (00712564)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード犯罪被害者支援 / IoT / メール相談 / SNS相談
研究実績の概要

事業2年目は、犯罪被害者へのアウトリーチ支援体制のモデルを検討するにあたって、支援側の体制の在り方に係る調査をおこなった。身体的・精神的侵襲に曝されている犯罪被害者の中には医療機関への受診の必要性が認められながらも、医療機関に受診しない(できない)ケースが多くあること、そして既存の対面式を主とした支援体制では限界があり、Internet of Things(以下IoT)等を活用した非対面式支援体制による支援を受けたいとする要望が多くあることが先行調査によって明らかになったことを踏まえ、本年度の取り組みの一つとして、犯罪被害を受けた方へのIoTを活用した支援活動の実態を明らかにした。対象は、国内の犯罪被害者支援センター(全国犯罪被害者支援ネットワーク登録)、精神保健福祉センター合計114施設の職員342人を対象に、犯罪被害者へのIoTを活用した支援の実態と、今後の支援体制構築にあたっての課題等を調査した。173人(50.6%)から回答を得た。犯罪被害者支援へのIoT機器の活用に関しては、24.3%が「メールもしくはSNSを使用している」とする返答が得られたが、そのほとんどが「連絡のみ使用」「相談は対面式」であり、実質的な相談業務は対面式もしくは電話相談に限局していることが分かった。その一方で、IoT、メールやSNSを活用した支援体制の必要性については、94.8%の回答者が必要がある、まあまあ必要があると回答した。支援体制構築の課題としては「ルール、規則の変更を要する」「コスト面が課題」「個人情報の保護」が多く挙げられており、支援体制のニーズはあるが解決すべき課題が多いことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究者の所属機関の異動、共同研究者の所属機関の異動があったこと、共同研究者の入替が予定外に起きるなど、研究計画の見直しを要す事態が生じたため。

今後の研究の推進方策

当初計画していた、人的資源(保健師)を活用したアウトリーチを行うことは、犯罪被害者側のニーズを十分に満たすことができない恐れがあることが、本年度までの取り組みによって明らかになってきた。アウトリーチ支援体制のモデルを構築するにあたって、被害者が二次被害を受けずに、相談につなげることを活用可能にするモデル(アウトリーチに結びつける前段階の支援)をまずは開発する必要がある。被害者への侵襲が少なく、かつ専門的な知識や受診、相談機関への訪問を誘導できるような取り組みを次年度以降は検討していく。

次年度使用額が生じた理由

本年度実施した調査結果を論文投稿するための費用(英語論文校正費用等)に使用する予定だったが、回答者からの返答が当初の予定よりも多く得られたことから結果の整理に時間を要した。そのため、所属機関の予算執行期限までに使用することができなかった。次年度以降に持ち越し論文投稿費として再計上する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Trends in research examining violence: An analysis of article titles via text mining2018

    • 著者名/発表者名
      Hirai K, Iwasaki R
    • 雑誌名

      Journal of Japan Association of Forensic Nursing

      巻: 4(2) ページ: 27-42

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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