研究課題/領域番号 |
17K12592
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
新藤 悦子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (20310245)
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研究分担者 |
野村 明美 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (10290040)
茶園 美香 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (10269516)
標 美奈子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 教授 (30289996)
清水 信輔 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (00709595)
二田水 彩 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 助教 (40757720)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 学童 / 健康教育 / 健康デザインプログラム |
研究実績の概要 |
H29年度は下記の内容を実施した。 1.学童期の健康教育に関する文献検討: (1)がん予防教育に関する文献検討の結果、小学生に対するがん教育に関する研究は少なく、諸外国では紫外線防護教育介入研究が見られた。介入によりがんの知識は増加するが、知識が予防行動に結びつかないため、学校のみでなく親や地域社会を巻き込んだ方法の検討が課題であった。(2)障害者教育に関する文献検討の結果、学童に対する障害理解の研究はまだ少ない現状だった。神奈川県で小学生等を対象にした啓発活動を実践している「親の会」に対しヒアリングを行った。その結果、障害に対する見方は作られていくものであり、啓発活動により障害があっても一人の大事な存在として認め合う気持ちが育つことを実感していた。対象は小学3年生、方法は体験学習が効果的であることがわかった。(3)性教育に関する文献検討の結果、ほとんどの小学校で発達段階に応じた教育が実施されていた。子どもへの親の関わり方に課題があり、医療者の関わりが求められていた。(4)「生きる力」を育む小学校保健教育の手引き(文科省H25.3)と本研究の整合性を確認した。国立教育委員会政策研究所教育課程研究センター(H23.11)の評価規準の作成、評価方法等の工夫改善などをプログラム評価の検討資料とした。 2.「児童自身による健康デザインプログラム」の検討: 研究会議を4回(8月,10月,1月,3月)開催。プログラムに対する意見交換を実施。さらにヘルスプロモーションの第一人者である順天堂大学島内憲夫氏に、本研究に関するスーパーバイズを受けた。その結果、病気・障害があっても共に生きることを認めあうために学童にポジティブなメッセージを送ること、地元密着型とし、小学校の学級を使ってモデル的に実施すること、実施経験者(小学校教員)の紹介など今後にむけて有意義な助言を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H29年度は、文献検討による小学校での健康教育の現状や課題、健康デザインプログラムに関する意見交換、小学校での健康教育に関するヘルスプロモーションの専門家の助言を受ける、など進めることができたが、文献検討結果を基に、健康の概念理解に関する教材の作成、運用方法の確定、評価軸の確定までには至らなかった。計画時点で、目標が高すぎたと言える。
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今後の研究の推進方策 |
計画当初、対象者を公募して、コミュニティセンターなどを利用した「街なか授業」を想定していたが、母集団の問題などから、実現可能性として「学級」をターゲットとした方が良いと言う助言を受けた。今後はまず小学校におけるヘルスプロモーションの概念を用いた健康教育の経験者に助言を受ける。並行して、健康の概念理解に関する教材の作成、運用方法の確定、評価軸の確定を行う。さらに市教育委員会に研究協力の相談、依頼をする。プログラムの実施ができるように計画し、倫理審査を受ける。計画がスムースに行くように研究分担者で分担して実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
<理由>教材作成費・印刷費および学会参加旅費を計上していたが、H29年度内に教材作成にまで至らなかったこと、国内学会参加の時間が取れなかったこと等による。 <今後の計画>教材作成および成果報告のための国際学会参加に充てる。
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