研究課題
今年度は、インターネット調査から得られたデータ分析を行った。分析データに関する事項は次の通りである。データ収集に際しては、他の教育研究機関が中高年者を対象とした調査研究委託実績があり、本研究の回答者である中高年者の調査モニターが登録されているとされるインターネット調査会社のモニターを用いたクローズド調査により行った。調査対象者を45歳~59歳の1500人とし2015年国勢調査の5歳区分で都内人口数の比率にあわせて調査協力者を募った。選択基準は、都内の45歳から59歳の地域で暮らす住民とし、除外基準を障害等によりすでに施設入所等で暮らしている住民とした。収集したデータについて記述統計による分析を行い、学会発表を行った。対象者は、男性770人、女性730人。平均年齢51.4±4.2歳で、男女に有意差はない。記述統計から示された主な傾向は次のようなものであった。1)今後、高齢期を迎える世代は、将来の生活・介護期間等の適切な認識を持てていない一面が見られる。2)特に平均寿命や介護年数などは男女により異なるが、想定している年数で男女差がない結果となり、将来の暮らしの基本認識を持つ上で注意が必要と思われる。3)女性の方が現在の健康管理はできており、地域活動にも所属し、地域で協力した方がよいと思いつつも、自助努力も強く認識する一方で、将来の暮らしへの不安を感じている割合は男性より高いという結果から、女性の方が、高齢期の暮らしを慎重に考えているともいえる。4)保険制度に関しては、いずれも信頼が低いが、その代わるものとしての費用等の自己の準備が追いついていない状況は、今後注意を要すると思われた。
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