研究課題/領域番号 |
17K12594
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
佐藤 美樹 共立女子大学, 看護学部, 専任講師 (90749540)
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研究分担者 |
金子 仁子 東京情報大学, 看護学部, 教授 (40125919)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エンパワメント / 家族 / 親 / 育児 / 乳幼児 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、エンパワメントという概念に着目し、子育て期の親の家族エンパワメントを測定する尺度を開発し、信頼性・妥当性を検討することである。2020年度は、以下の(1)~(3)のように実施した。 (1)2019年度に査読付学術雑誌に筆頭著者として発表した「幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度(Family Empowerment Scale for Parents with Toddlers)」の実践現場での活用について、関連する研究会において、尺度の分析方法等について保健師、薬剤師、看護大学教員等と協議を行った。 (2)幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度の活用について、自治体保健師から相談があり、乳幼児健康診査や育児相談の場での活用方法及び調査計画についての協議を行った。 (3)家族エンパワメントの構成概念間の因果モデルを検討するためのさらなる分析を進めた。幼児を持つ親の家族エンパワメント尺度の5つの構成概念(家族との関係性、育児の効力感、地域とのつながり、親役割達成感、サービスの認知と活用)を概念モデルとして設定し、共分散構造分析を用いて、総合的・構造的な検討を行った。共分散構造分析では、男女の多母集団同時分析を行い、モデルの修正を繰り返し、最適モデルを探り、良好な適合度が得られた。 今年度の成果の意義は、開発した尺度のさらなる分析を実施し、実践現場での活用に向けた方向性を明らかにできたことである。これらは母子保健分野における家族支援に活用できる研究として大きな意義がある。今後の課題は、尺度の活用により予測妥当性の検証を行うことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた自治体との調査が延期となり、計画の変更が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため延期となっているアンケート調査を進めるとともに、さらに調査対象を拡大して調査を進める。新たな調査対象としては、自治体の育児相談や乳幼児健康診査に来所の保護者、保育所を利用する保護者等を予定している。また、関連する学会において、成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止で、調査が延期となったため未使用額が生じた。未使用額については、今後に予定している自治体等への調査、物品費および研究成果公表に関する経費に使用する。また、調査を実施する際の調査補助者の人件費も必要である。よって、次年度使用額も含め、予定通りの遂行が見込まれる。
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