研究課題/領域番号 |
17K12598
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 良美 東京医科大学, 医学部, 教授 (90516147)
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研究分担者 |
石田 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (60363793)
澤井 美奈子 湘南医療大学, 保健医療学部看護学科, 准教授 (90520776)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | テロリズム / 保健師 / 準備態勢 |
研究実績の概要 |
今年度は、テロに対する国内外の保健師活動や準備態勢を明らかにすることを目的に研究を遂行した。 1.国内外の文献検討や研修会の参加などにより、以下のテーマに関して情報を収集・分析し、その成果を計3回開催した研究者間の会議で共有し、理解を深めた。:①保健師のテロ対策に関する文献検討「保健師を対象としたバイオテロの準備態勢に関する英文献のレビュー」「生物テロに対する保健師の準備態勢に関する概念分析経過報告」、②生物テロ、CBRNE災害に関する担当者養成講習会参加報告、③国際法的な視点からのテロ対策に関する検討「テロ対策と国際法:国際保健規則(IHR)を例として」「英語・ソールズベリーで発生した元ロシア情報機関員への襲撃事件について」、④国内のテロ対策に関する検討「テロに対する国の取り組み」「日本で起きたテロ(地下鉄サリン)」、⑤生物テロに関する研修内容の検討」「保健師による生物テロへの対策に関する研修シナリオ案」。 2.上記の検討を踏まえて、以下の2点を成果として発表した。①「保健師を対象としたバイオテロの準備態勢に関する英文献のレビュー」に関して、第6回日本公衆衛生看護学会学術集会で発表した。文献検討の結果、保健師の生物テロへの準備態勢は米国ですら十分ではないものの、研修受講経験のある方が正確な知識を得ており、日本でも準備態勢の実態を明らかにすることや、保健師の準備態勢への教育が必要であることが示唆された。②「テロに関する覚書-個人を規律する国際法の視点から」を獨協大学学報にて発表した。 3.上記の情報収集を踏まえ、研究者間の会議で今後の研究の方向性を検討した。本研究ではテロの中でも、保健師が対応を迫られる可能性が高く、さらに公衆衛生関連のテロに関する文献検討でもっとも件数の多かった生物テロに焦点を当てることにし、さらに具体的な研究のスケジュールを立案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献検討と会議の開催によって、テロに対する国内外の保健師活動や準備態勢を明らかにし、それらを研究者間で共有し、研究の方向性を定めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究者間の会議の継続による研究内容の検討:引き続き研究者間で、研究を遂行させるための会議を開催しテロへの理解を深めるとともに、インタビューやプログラム開発に向けた準備を行う。 2.生物テロの準備態勢に関する保健師の知識と認識に関する質的研究:生物テロに対する保健師の準備態勢に関する概念分析を完成させ、質問紙の内容を検討の上、保健師へ生物テロの準備態勢に関する知識と認識に関してインタビューし、質的に分析し、現状と課題を明らかにする。 3.保健師を対象とした生物テロ対策のプログラム開発:上記を明らかにした上で、保健師を対象とした生物テロのプログラムを開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内での文献検討が中心となったため、若干の繰越金が生じた。来年度はインタビューやプログラム開発にこれらの費用を充当する予定である。
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