ラオスのA中核病院の看護師を対象にストーマケアセミナーを実施した。参加者43名のうち回答のあった40名の質問紙を分析し、ラオスのA病院におけるストーマケアの指導方法について検討した。途中、COVID-19により直接指導することができなかったため、セミナーの結果を踏まえてラオス版ストーマケアの手引きとDVDの作成に計画を変更した。手引きとDVDは日本語版の作成はできており、ラオス語への翻訳作業を行っているところである。作成後は、協同研究施設だけでなく、ビエンチャン周辺の施設にも資料を配布する予定にして いる。 また、ラオスでのストーマケアの現状を周辺国(タイやカンボジアなど)に知ってもらうため、クアラルンプールで開催された2018 World Council Enterostomal Therapistの国際学会にラオス人看護師と出席し「ラオスにおける管理困難なストーマケア」について発表した。学会では、タイ国の専門看護師と交流する機会を持つことができ、ラオスのストーマケアへの発展に協力を得る関係構築を作ることができた。日本においても、「ラオスのストーマケアの現状と課題」について学会発表を行ない、開発途上国のストーマケアの現状を知ってもらう機会を持つことができた。 さらに、ラオス人看護師が、ストーマケアの最新の知見を獲得することを目的に、2018年と2019年に1名ずつ来日し、関西ストーマケア講習会に参加し、日本におけるストーマリハビリテーションについて学び、終了証を授与された。ラオスに帰国後は、講習会での学びを活かして、限られたストーマケア用品を用いて病棟で2名のラオス人看護師はチームリーダとして自施設でストーマケア教育活動に取り組んでいる。
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