研究課題/領域番号 |
17K12604
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
中世古 恵美 姫路獨協大学, 看護学部, 講師 (00513425)
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研究分担者 |
小寺 さやか 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (30509617)
中澤 港 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (40251227)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バヌアツ国 / 子ども / 保護者 / 喫煙 / 飲酒 / 保健教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、バヌアツ国の子どもの喫煙・飲酒に対する意識及び行動と、保護者の喫煙・飲酒に対する意識及び行動との関連について明らかにし、子どもと保護者に対する保健教育プログラムを開発することを目的としている。 1.研究2年目である2018年度は、本調査を実施した。都市部の対象としてバヌアツ国首都の英語系小学校1校、フランス語系小・中一貫校1校、地方部の対象として首都の位置する島北部の英語系小学校1校を選定し、各学校に属する6~8年(12~14歳)の子どもとその保護者(7,8年生の子どもの保護者)を対象に喫煙、飲酒行動と知識、態度に関する質問紙調査を実施した。 2.子どもは、496名から有効回答を得た(回答率100%)。保護者への質問紙の配付は子ども1人につき1部とした(7,8年生に兄弟がいる場合は最年長の子どもにのみ質問紙を配付)。7,8年生の子ども336名に保護者用質問紙を配付し、221名(組)の保護者から有効回答を得た(回答率65.8%)。 3.子どもの喫煙経験率は全体で男子16.7%・女子8.5%、飲酒経験率は男子12.9%・女子8.8%であった。「成人してから喫煙・飲酒すると思う」と回答した割合は、順に男子13.2%・16.5%、女子8.1%・9.5%であった。大部分の子どもが「喫煙や過度の飲酒は健康に悪い」と認識している一方で、過半数の子どもが「喫煙・飲酒する若者は友人が多い」という認識を有していた。 4.保護者の喫煙経験率は父親39.1%・母親10.8%、飲酒経験率は父親58.3%・母親27.0%であった。大部分の保護者が、「子どもの未成年での喫煙・飲酒を望まない」、「今までに喫煙・飲酒の健康被害について子どもに話したことがある」と回答した。一方、約1割の保護者が同国で法律により未成年での購入が禁止されているタバコを「自分の子どもに買いに行かせた経験がある」と回答した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画においては、本調査の実施を2018年9月頃に予定し、年度内にデータの解析を進める予定であった。しかし、本調査の実施が2019年3月と予定よりも約半年間延期したため、年度内でのデータ解析を進めることができなかった。2019年度前半でゼータ解析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度前半でデータ解析を進め、バヌアツ国の子どもの喫煙・飲酒に対する意識及び行動と、保護者の喫煙・飲酒に対する意識及び行動との関連について明らかにする。本研究の結果を報告書としてまとめ、調査協力機関であるバヌアツ国保健省、教育省、セファ州教育事務所、調査協力校に提出する。研究成果について学会で成果報告を行うと共に、論文作成に向けての準備を行う。さらに、本研究で得られた知見をまとめ、未成年の喫煙・飲酒予防のための保健教育プログラム開発のための基礎資料を作成する。 本研究は次年度が最終年度となるため、本研究の知見を元にした次に続く研究の計画(保健教育プログラムの実施と効果の検証)を立案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本調査の実施時期が年度末となったため、調査報告書作成にかかる英文校閲費等の執行を年度内に行うことができなかった。 次年度は報告書作成等にかかる英文校閲費、印刷費、学会発表のための旅費等に使用する。
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