研究課題
本年度は,本研究の最終目標である汎用性の高い固定パラメータアルゴリズムの開発に従事し,それと同時にこれまでに得られた成果の発表を行った.特にハミルトンサイクルの遷移問題に対しては,昨年度の報告書で言及したアルゴリズムの区間グラフへの改良に成功するなど,与えた結果をさらに一般化することに成功した.また,今年度も積極的に国内外の研究者と交流を行い,独立点集合遷移問題,誘導部分グラフ遷移問題,整数計画遷移問題,kパス点被覆遷移問題,ケンペ変換遷移問題等,様々な問題に対して結果を与えることが出来た.特に,ケンペ変換遷移問題に対しては,色数,遷移長,対称差,入力グラフの次数等,様々なパラメータに対して包括的な結果を得ることが出来た.本研究はフランスのリヨン1大学やボルドー大学の研究グループとの共同研究であり,成果をまとめた国際共著論文は国際会議COCOON(計算と組合せに関する国際会議)及び,STACS(計算機科学の理論的側面に関する国際シンポジウム)に受理され,口頭発表を行った.他にも,遷移問題の新しいフレームワークである最適化遷移についても着目し,パラメータ複雑性の観点から独立点集合最適化遷移問題や支配集合最適化遷移問題に対して,容易性と困難性の両面から結果を与えることが出来た.現在はマトロイドや劣モジュラといった,計算機科学の分野で古くからよく研究されてきた概念に対して遷移問題のフレームワークから捉えることで,より汎用性の高いアルゴリズムを与えるべく研究を進めている.これらについては研究機関終了後も継続して研究していく.
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 9件) 備考 (1件)
Discrete Applied Mathematics
巻: - ページ: -
10.1016/j.dam.2020.01.022
Theoretical Computer Science
巻: 806 ページ: 553~566
10.1016/j.tcs.2019.09.018
http://www.ecei.tohoku.ac.jp/alg/suzuki/