研究課題/領域番号 |
17K12668
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
北村 崇師 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (70530484)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ソフトウェア工学 / ソフトウェアテスト |
研究実績の概要 |
昨年から引き続き、継続・派生開発のための組合せテスト技術のための一手法として、Interaction-based test suite minimization(ITSM)技術に着目し、そのためのアルゴリズムの高速化の研究を行った。ITSM技術とは、既存のデータセットを入力とし、その組合せテスト網羅率を保ったまま、そのデータセットのサイズを削減し、それをテストケースとして用いるテスト技術である。前開発で得られるデータセットからテストセットを抽出できるため、テストを人手で作る必要がないという点で、有効なテスト技術である。
昨年はITSMと集合被覆問題と関連があることを突き止め、ITSM 問題を集合被覆問題に変換する手法を提案した。また異なるアプローチとして、データ構造を工夫したアルゴリズムを考案した。このアルゴリズム開発では、ITSMは規模により適切なデータ構造が異なることを突き止め、また大規模な問題は計算が進むにつれ、小規模な問題となる性質を見つけ、大規模な問題に対しても動的にデータ構造を変更することにより、アルゴリズムの高速化を実現した。
今年はさらに調査を進め、このアルゴリズムに対して、Bitwise演算を用いる実装方法の着想を得た。具体的には、これまで開発したITSMアルゴリズムを解析しボトルネック部分を突き止めた。さらにそのボトルネック部分の高速化にはBitwise演算を適切に用いることが有効な解となりえ、それにより、アルゴリズム全体の高速化が可能になる着想を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス蔓延の影響により、実験等に遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
継続・派生開発のための組合せテスト技術である Interaction-based test suite minimization(ITSM)技術に対して、今年着想を得たBitwise操作をアルゴリズムを実装し、その性能評価実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延により、研究に遅れが生じ、そのため研究成果発表のための費用について次年度使用額が生じた。翌年度では、成果発表を行う際に使用する予定である。
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